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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第205話 絆の温もり
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か出来る事はないのか。と玲奈と同じく考えていた時、だった。ユイの言葉が、手を握って、と言う声が届いたのは。

『……わたしの手は、そちらの世界に触れられませんが……、わたしの……わたしのぶんも……』

 その声は、姉妹の端末を通じている。2人にも届いている。後半部分が震えている事も、勿論気づいている。
 だからこそ、取る行動が同じなのは、必然だった。

「ううん。そんなこと、ないよ」
『うん。そうだよ。ユイちゃん』

 明日奈の声が、玲奈の声が、端末を通してユイの左右の耳に伝わる。

「ユイちゃんの手もきっと届く。……一緒に2人を。パパとお兄さんの応援をしよう」
『りゅう……お兄ちゃんも、パパもユイちゃんの手が、気持ちが通じれば、きっと力が出るよ。……きっと、きっと。私も、リュウキくんだけじゃない。キリトくんの事、応援する。ユイちゃんを、伝わって、キリトくんを応援する』
「ん……。私もリュウキくんを。……ユイちゃんの手を繋いで、伝えて。……皆で、家族皆で」
『……はいっ』

 其々の場所で横たわる2人の身体の手に、携帯端末を握らせ、ユイに触れさせた。
 現実世界で、キリトとリュウキの2人に一度に触れられるのは、ユイだけだ。だが、ユイを通じて、明日奈の、玲奈の気持ちが其々、あの世界で懸命に戦い続けている家族に伝わる。


――頑張って。頑張って。わたしは、私たちはいつでも、いつだって傍にいるから。


 2人が思うのは同じ考え。同じ想い。 あの世界の闇が、再び蠢き、活動を始めたと言うのなら、自分達にも責任はあるんだ。今は何も出来ないけれど、せめて、せめて これだけは……。


 2人の手をきゅっと握り締めた瞬間、かすかに、そして確かに ぴくりと震えた。
























 場面は再びキリトと死銃。


 死銃が操る剣、刺剣《エストック》。

 細剣(レイピア)と同じく、刺剣(エストック)には絶対的とも言っていい有利性(アドバンテージ)がある。単純な攻撃力、と言えば他の武器に後塵を拝するだろうが、その鋭利な先端の刃は、獰猛と言っていい。如何に防御力を誇る装備をしていたとしても、容易に貫いてくるのだ。そして、その剣速。アスナ、レイナの双・閃光の異名もその速さから来ている。……防御不可能の攻撃を、目に止まらぬ、閃光の速さで放ってくるのだ。

 だが、ここで敗れる訳にはいかない。自分が敗北すれば、仲間たちが危険に晒される事が判っているからだ。現実世界での自分の肉体にはかすり傷1つ与えられないだろう。……だが、彼女だけは、シノンだけは違うのだ。全ての負担がリュウキ1人に掛かりかねない。

 死神がリュウキを足止めし
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