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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第205話 絆の温もり
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情を強ばらせていた。
「そう、ですよね。一度、ログアウトして……と言う方法も、他のゲームであれば 取れる手段ですが、ここで リュウキくんに何を言っても、聞こえませんし、……そもそも、今はBoB大会中です。ログアウト機能も殆ど停止しているんです。……リュウキくんっ」
玲奈は、心配そうにリュウキを見ていた。
このGGOに限らず、ALOでも施されている措置だ。形勢が不利になったプレイヤーの《投げ落ち》を防止する為に、だ。実際に それをやられてしまうと場が白ける事が夥しい。多数のクレームを経て、今の機能を導入したのだ。
だが、それでも身体に悪影響を及ぼす様な状態になれば、安全装置が働く様にしているから、大丈夫の筈だけど、心配は尽きない。
「大丈夫、です。玲奈お嬢様。……これはアミュスフィア。……
あの機械
(
・・・・
)
とは違います。坊ちゃんに危険はありません。……それに、坊ちゃんは 負けませんよ。……誰かを守ろうとしている者は強い。私は、それを学びましたから」
綺堂は 玲奈に微笑みかけた。
自分自身も、リュウキの事を。……隼人の事を心配しているのに。脱水を起こすのであれば、点滴でも施して処置する方法だってある。血中に直接送り込むのだから、給水よりも余程効果が見えるだろう。
だけど、それをすれば、あの時に逆戻りをしてしまう。……綺堂にとっても、あの事件は悪夢だったから。
「リュウキ、くん……っ」
声を殺しながら、リュウキの名を呟く。
そう、何かを守ろうとする時の彼の強さは よく知っている。
――……ゲームオーバー=死。
絶対のルールがあったあの世界で、その死さえ、超越し 友に力を貸した。全てを覆して、皆を守ってくれた。……そして 更にその後も 自分を、助けてくれた。……約束を守ってくれた。会いに来てくれた。
――……あの時も、今も、何も出来ないのだろうか?
玲奈は思わず泣いてしまいそうになる。あの世界では最後に見守る事しか出来なかったから。死なないで、と縋る事しか出来なかったから。
何か、何かせめて出来ることはないか。すぐ隣にいながらも、遥か異世界で誰かを助ける為に戦い続けている彼に、何かを届ける事が。
『お姉さん。ママ。手を』
不意に、携帯端末から小さな声が聞こえてくる。ユイの声だ。
『お兄さんの手を握ってください。ママも。……2人の手の暖かさなら、きっと、きっと2人に届きます。お兄さんとパパに。 わたしの手は、そちらの世界ででは、ありません。触れられません。……だから、わたし、わたしのぶんも……』
後半部分は、大きく震えていた。
ユイも、今の中継を見ている筈だ。だからこそ、同じ気持ちだったんだろう。リュウキとキリトの戦闘も見ているか
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