2対3?
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質問する。
「リオンにアプローチされてるんでしょ?」
「女心としては気になるわよねぇ」
どこからともなく現れたカナとミラジェーンがジュビアの両サイドを堅め逃げられないようにする。
「ジュビアは・・・ジュビアは・・・」
ジュビアは両サイドの楽しそうな2人とは対称的に落ち込んでいるような顔をしている。
(どうせならチームに残ってグレイ様と一緒に戦いたかった・・・)
ジュビアは今回のチーム再編成に伴い正規メンバー6人から外れてしまったのである。そして彼女の想い人であるグレイはメンバーに入っているため、そのような気持ちを抱いているのであった。
(そうだ!!まだチャンスはある!!)
先程までの落ち込んでいた表情からは一転、ジュビアは天にも昇るような笑顔に変わっていた。
(チームの誰かが試合でケガをして人数が足りなくなれば!!)
ジュビアは正規メンバーにこそ選ばれてないものの、その高い魔力と能力を買われてリザーブメンバーとしての登録がしてあるのである。基本的にはリザーブ枠はあまり使われることはないはずのだが、仮にこれからのバトルで誰かしらがケガをし、最終日に人数が足りなくなれば彼女が出ることができる。つまりグレイ様と一緒に戦うことができる、というのが彼女の極論であった。しかし・・・
「いけない!!」
ジュビアはその極論を願ってはいけないのだということに気づく。
「ギルドの一員として仲間のケガを祈るなんてジュビアは悪い子!!あぁ〜ん!!だけどグレイ様のお側にいたい!!
だけど!!仲間にケガはしてほしくない!!ジュビアはどうすれば!?」
頭を抱えて困り果てているジュビア。その様子を見ていたカナ、ミラジェーン、レビィの3人は突然叫び出したジュビアに何があったのかわからずに困惑している。
「ど・・・どうしたの?ジュビア」
「何か悩み事?」
「相談に乗るからお姉さんたちに話してごらん?」
3人の優しさに一瞬でも仲間のケガを祈ってしまったジュビアはさらに罪悪感に苛まれ、顔を被いタメ息をついていた。
「この試合が終わったらいよいよ妖精の尻尾と剣咬の虎の試合ですなぁ」
マカロフが隣に立っているメイビスにそう言う。
「彼らを信じるだけです。どっしり腰を据えて待ちましょ―――」
メイビスはいつものように石でできた柵に腰かけようとした時、バランスを崩して転落してしまう。
「おおおお!!」
「初代!?」
「みんな・・・ちょっとは腰据えて見学しよう・・・」
まだ自分たちの試合が始まってすらいないのにここまでの大騒ぎ。ハッピーはあきれた様子でそう呟くのであった。
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