第7話「にゅうぶ」
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」
特に危なげもなく、俺と恵飛須沢は地下への階段まで来れた。
「にしてもあの人数を一人でか....凄いな。」
「的確に頭を潰してきたからな。銃もあるし、あれぐらいなら...な。」
「そっか。」
会話をしながら、地下へと潜っていく。
「よし、とりあえず鞄に詰め込むぞ。」
「...これ全部本物か...なんか、怖いな。」
「引き金には触るなよー。」
銃を入れるために空にしてきたバッグに銃や弾薬を詰め込んでいく。
「...うし、重いけど、一回で行けるな。」
「その状態で襲われたらどうするんだ?」
「瞬時に降ろして刀で戦うさ。」
「それもそうだな。じゃあ私はこれとこれと....。」
恵飛須沢が食料をいくつか見繕い、まだ空きがあったバッグに入れる。
「じゃあ、戻るか。」
「そうだな。」
色々詰め込んだバッグを背負い、俺たちは三階へと戻る。
「はぁっ!」
グシャッ
「...なかなかの手際だな。」
道中、一度に数体のゾンビに襲われ、恵飛須沢も戦う事になり、俺はついそう呟いた。
ちなみに、今までは一体ずつ、それも数回しか遭遇しなかったため、俺が仕留めていた。
「...学園生活部で戦えるのは私だけだからな。」
「....そうか...。」
雰囲気からして、恵飛須沢くらいだもんな。体育会系って。
「しかし、よく戦う事を選んだな。」
「....街全体がこうなった日にさ、否が応でも覚悟を決めさせられたんだよ....。」
「...何か、あったのか?」
シャベルを抱きしめるように持ち、声色も少し上擦っている恵飛須沢に、俺はそう聞く。
「.....すまん、そう言うのは聞くべきじゃなかったな。」
「いや、いいよ。話したくないって程でもないし。」
そう言って、ポツリポツリと恵飛須沢は話し出した。
「私、陸上部でさ。走る事は嫌いじゃなかったけど、入部した動機は結構不純だったんだ。...なんだったと思う?」
「む...いや、分からないな。何か目的があったぐらいしか。」
「....OBの先輩がさ、好きだったんだよ。」
...なるほど。確かに不純だな。
「それでさ、バイオハザードみたいな事が起きた時、その先輩に庇われて先輩が噛まれてしまったんだ。そこで私は先輩を連れて屋上まで逃げたんだ。」
「噛まれたって事はつまり...。」
「あぁ、先輩はあいつらの仲間になってしまったんだ...。」
当初は噛まれただけでアウトだなんて分からなかったもんな...。
「屋上には、りーさんとめぐねえ、それに由紀がい
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