第7話「にゅうぶ」
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「それは同感だな。一人が気楽でいるのなら、他の奴も精神が安定するからな。」
特に若狭は結構由紀とやらに助けられてると思う。見るからに精神に負担掛かってそうだし。
「...にしても、よく三階に残ってた食料だけでやりくりできてたな。」
「屋上の菜園もあったから、それで何とかしてたわ...。」
「後は、購買にささっと行って少しばかり拝借したりな。」
そうだとしても、電気はともかく、水などがしっかり保管されすぎている。
「...地下よりは蓄えは少ない...か。」
「っ、そういや、地下には何もなかったのか?」
恵比寿沢が乗り出して聞いてくる。
「地下には...そうだな...大量の食糧と、薬...だな。それと避難生活必需品。」
「...薬...昨日も言っていたけど、それって噛まれた時用...のだよな?」
「あぁ。俺も見つけたのは偶然だったけど、効果は俺と先生で実証済みだ。」
ただし、使用してもゾンビに近づくが。
「分かってると思うが、薬があるからって油断するなよ?」
「ああ、それは分かってるんだけど、どうして薬なんかが...。」
普通の学校のはずなのに薬がある。尤もな疑問だな。
「っ.....。」
「....さぁな。俺にも分からん。」
先生の顔を見て、はぐらかしておく。今は言わない方がいいだろうしな。
「そうか....。」
「ま、気にしてたらできる事もできなくなる。深く考えない方がいい。」
「...そうだな。」
そう言って恵飛須沢はそれ以上言及はしてこなかった。
「あっ、そういや、まだ武器とかを地下に残したままだったな。取ってくるか。」
「...一人で大丈夫か?」
「へーきへーき。二回程行き来するけど、一人でも大丈夫だ。」
そう言って一度地下へ戻ろうとする。
「...いや、やっぱり私も行くよ。戦える人数は多いに越した事はない。」
「別にいいが...武器ってまさか“それ”か?」
恵飛須沢が持っているシャベルを指差してそう言う。
「園芸部用のシャベルだからな。これでもだいぶ助けになってるんだ。」
「...よくよく見てみれば、塹壕用のシャベルか...充分武器だな。」
これなら大丈夫だな。態度からして、何度もそれで奴らとやりあってるようだし。
「よし、行くぞ。」
「りょーかい!」
「由紀ちゃんが起きてくる前には、戻ってきてね?」
「分かってるって。」
さて、じゃあいっちょ行ってきますか。
「...こんな所に階段が....。」
「普通、購買部に繋がってる機械室に階段があるとは思わないもんな。
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