第3章 リーザス陥落
第71話 光明見えるジオ戦
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けないさ」
「む? オレ様が格好よく救うシーンは必ず入れるのだ。それなりには 手を抜いてもかまわん」
「いや、訳わからん」
「そもそも、あんたに助けられるくらいなら、自害するわ」
「……同感」
こうして、配置は終了した。
いや、まだ1人いた。
「あ、あの、ランス様。私は……どうしたらいでしょうか。何も言われてなくて……」
そう、シィルだ。
ランスの傍にずっといたのだが、まだ人選をされていないから。ユーリもヒーラーとしての配置は、セル、クルックー、ロゼと3人に絞ったから、声がかからなかった。
「馬鹿か、お前は」
「ひんっ! ひんひん……い、痛いです。ランス様……」
「お前はオレと来るんだ。奴隷の分際で何を怠けようとしている」
「あっ……」
シィルは、叩かれた頭を抑えつつ、ランスを見た。ランスはそうとだけ言うと、背中を見せる。
「……ランスなら、ああ言うって思ってシィルちゃんは配置しなかったんだ」
ユーリが、小声でシィルにそう言う。シィルは、振り向いた。
「攫われた時、かな。多分何言っても、ランスは戦いの場では特に シィルちゃんとは別行動は取らないだろう。それだけは保証するよ」
「あっ…… は、はいっ! 私も、頑張りますからね。ユーリさんっ」
「ああ、ランスのお守り、頼んだ」
「こらぁ! シィル! 何を油を売っておるか!」
追いついてこないシィルに檄を飛ばすランス。それを見たユーリはにやっと笑った。
「ランスはマリア同様、どこぞでポカするからな。シィルちゃんにしっかりと頼んでただけだ」
「あ、が、頑張りますっ」
「誰がだ、こらぁ!! シィルも何を頷いている! お仕置きだ!!」
「ひんひん……」
シィルは、頭を叩かれながらも、喜びを感じていた。
ユーリの言うとおり、だったから。
ちなみに、自分の事をダシに使われたマリアが、また 怒ったのは言うまでもなかった。
様々な不安要素があったジオ戦。
如何にいい見繕っても、数の暴力というモノは絶対的に存在する。だが、風は間違いなくこちら側に吹いている。偶然が重なり、リーザス側に良い風が吹いているのだ。これも、ランスの天運、というかもしれない。それとも、全員の負けられないという強い決意が、呼び込んだのかもしれない。
かくして、本日深夜。ジオでの決戦の火蓋が切って下ろされる事になるのだった。
〜技術紹介〜
□ 暗歩
足音を殺して歩く技術。主に暗殺術として
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