第十一話 十二月
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加えて貫通属性によるダメージ蓄積……。
しかし、どうやってその装備を入手しているかも気になる……。
あれだけ投げてるんだ、武器の効率は恐ろしく悪いハズ。
それを切らさずに、投げるグレードも落とさないとなると……。
余程の金持ちか……PKで得たものなのか、いや、怖いから考えたくはないな……。
下手に突っ込んだら俺も殺されかねない。
兎に角、あまりにも特殊すぎるステータス振り。
しかし、その結果、誰も寄せ付けない突出した強さを持っている。
本当に驚いた……、まさか、攻略組以外でここまでのやつがいるとは……。
「……今日はここまでにしようぜ。 そろそろ日付も変わるし」
動揺する気持ちを抑えながら、ここで打ち止め宣言。
「ふむ。 まぁそちらも事情があるだろうし、今回は了承してやろう。 大方PT狩りというのもどういうものかわかったしな」
すると、ヘヴンはあっさりと了承してくれた。
正直、これだけでもかなり嬉しい。
これ以上コイツと一緒に狩るのは気が気じゃない。
あれだけ速くて強いコイツを敵に回すのはあまりにも危険。
本当にPKされかねない……。
「ねぇねぇ、天さん、面白かった?」
すると、桜花が軽口を叩き始める。
……まぁ、コイツだから大丈夫なのだろうが。
俺はあれを見て圏外でコイツに軽口を叩きたくないと思っているからな……。
「まぁそうだな。 想像していたよりは面白かった。 ソロと比べて実入りも中々いい。
何より、ソロの時と安心感が段違いだ。 長時間の狩りでも精神的に非常に楽だからな。
実際、この二時間があっという間に終わった気がする」
冷静に、かつ淡々と感想を口にしながら、ヘヴンはそのまま少しだけ歩いた後。
薄い笑みを浮かべながらこちらを見た。
「非常に勉強になった。 礼を言う。 またPT狩りがしたくなったらメッセージを送ってやる。
それまでに死ぬんじゃないぞ。 わかったな」
一方的にそれだけ口にすると。
ヘヴンはPTを抜け、何処かへと消えていってしまう。
……複雑な気分だ。
またアイツに呼ばれることがあるのか……俺は。
少しだけため息をつくと、隣にいた桜花が声をあげる。
「あ、そうだ。 ヤバい。 プレゼント忘れた」
「……? プレゼントってなんだよ」
「今日はクリスマスじゃん? 玖渚がプレゼント待ってるじゃん?
だから、年配としてプレゼントあげようと思って」
……コイツ、意外にそういう気配りできるやつなんだな。
正直、意外だった。
「しょうがないな。 俺がどうにかアイテムの中からレアアイテム見繕ってアイツに渡しておいてやるよ。
それでいいだろ」
ここは俺もある程度太っ腹なところを見せるため、そう口に出すと。
桜花は暫く黙った
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