第十一話 十二月
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な……。 まぁいい、お前限定で許してやろう」
あ、許された。
怖いヤツだと思ってたが、意外に柔軟なんだな、ヘヴン。
「じゃあ天さんとアルス、何処に狩りに行くの? イベクエでもやる?」
「いや、イベクエはもう時間切れだろ。 たぶん先にクリアしたやつらがいるだろうしな。
適当に1時間くらい、最新層の迷宮区に遊びに行くか。 今ならイベクエに躍起になってるやつらが迷宮区から消えてるハズだから。
たぶん狩場は空いてると思う」
俺がそんな提案をすると、ヘヴンは興味深そうな顔でこちらを見た後。
「成る程。 実に凡庸な考え方だ。 しかしそれで十分なのだろうな。 やはり、中々興味深い」
そんなことを、ブツブツ呟き出した。
……あんまり凡庸って言われても凹むんだがな。
しょうがないだろ、一般人なんだから……。
兎に角、そんなこんなで、俺達は最前線の迷宮区に向かい、適当に空いている狩場を見つけて、狩ることにしたのだった。
「そこだ、スイッチ!」
「任せろ」
狩りを初めて早二時間。
あと一時間程度で日付も変わりそうな時間になった頃。
俺達とヘヴンは、かなり息が合って狩りが出来るようになっていた。
始めたばかりの時はまともに狩りすら出来なかったが、まさかのこれだ。
いや、真に驚くべきことはそこじゃない。
ヘヴンの強さだ……。
俺はそれなりに長いこと攻略組をやっているし、色んな強いやつらを見てきた。
盾無しの直剣使いや高速で攻撃する細剣使い。
ユニークスキル持ちのどこぞの団長やモンスターを操るビーストテイマー。
エクストラスキルに特化しているやつらだっていた。
だが、ヘヴンは、その誰とも違う。
俊敏性、超特化型だ。
昔、リアルで読んだことのある漫画で、そういう動きは確かにあった。
縮地と呼ばれる、目にも止まらぬ、いや、目に写らない速さ。
当時それを読んで凄まじいと思ったし、同時に実現不可能だとも思った。
だが、ゲームの中で、このアインクラッドで、まさか見ることになるとは思わなかった……。
ヘヴンのその速さは、既に縮地の域に達している……!
通常、人の動きはゲーム中でも、点と点を結ぶ線の動きだ。
しかしヘヴンはどうだ……。
まるで点と点をワープするかのように移動する。
瞬間移動に限りなく近い速さ。
当然、それだけ俊敏を上げていれば筋力は振っていない。
故に、火力の低さが浮き彫りになるハズなのだが……。
コイツは違う。
その火力の低さを補うために、連続投擲による手数の多さで、それを補っている。
武器そもそもの火力を底上げし、それを一度に数本単位で相手に投げつける。
例え一本のダメージが50でも、10本投げれば500だ。
それに
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