第十一話 十二月
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?」
だが、ウスラはそこで止まらず、突き刺されたまま、俺の胴体へと一撃を放つ!
痛覚がないSAOならではの、ゴリ押しだな……。
こいつは心理戦うんぬん言ってる場合じゃなさそうだな。
だったら、しょうがない。
俺は一度、その手からグリュンヒルを手放し。
再び振るわれようとしているその一撃が放たれる前に。
ウスラの右手首を右手で掴んだ。
「なんだと!?」
そこで、ウスラの動きが止まり、俺への一撃は阻止される。
「歯ァかみ締めとけ!」
同時に俺は空いた左手で、ウスラの顔に向けて、体術スキルを発動し、顔面を殴る。
「ぐっ!」
一気に、ウスラの体力が削れた。
さらに突き刺さっている俺のグリュンヒルの蓄積ダメージ。
もう少しで黄色ゲージに突入だ。
そう思っていた直後。
ウスラは、突如、その手にもったグリュンヒルを手放し。
俺の左腕から繰り出されるハズだった二撃目の体術スキルを、手で受け止めた。
「体術スキルを使ってるのは、お前だけじゃないんだぜ、アルス!」
ウスラのその声と共に。
俺の脇腹に、ウスラの体術スキルを使った強力な蹴りが入る。
意外に威力のあるその一撃に、俺も、体力が危うい状況になった。
足元ってのは……こういう意味もあったのか……!?
あと一撃。
同じものを食らえば、俺が負ける。
これは……マズイ。
俺は両手がふさがってるし、この体制で蹴りが出来ないが、あっちは剣に突き刺さってるが故に、多少体勢を崩せる……。
負けたか……!?
そう思った、その直後。
ウスラのHPゲージが、グリュンヒルの蓄積ダメージにより、ついに黄色ゲージに突入した。
その直後、ウスラの頭上にLOSEの文字が浮かび上がり、デュエルの勝敗が決した。
ギリギリでの勝利。
恐らく、ヘヴンの助言が無ければ、俺が負けていただろう。
俺は、己の勝ちを確認した後、ウスラの体から、剣を引き抜く。
すると、ウスラも、ため息を吐きながら、落とした己のグリュンヒルを拾い上げた。
「くそ、俺の負けだ、アルス。 持ってけ」
ウスラは悔しそうにそう口にすると、その手についた指輪を二つ、俺へと投げた。
「ああ、もらっておく」
俺がそれを受け取ると同時に。
ウスラは俺に背を向けて、歩き出した。
「とりあえず、満足したぜ。 またその内リベンジするわ」
そんな捨て台詞だけ残して、ウスラはその場から去っていく。
その後姿を眺めながら。
俺は、幾つかの疑問を頭に浮かべていた。
一つは、何故、アイツが俺の居場所を知っていたのか。
俺はアイツをフレンド登録していないし、ギルドも違う。
なのに、あいつは最初から、俺がここにいることを知っているようだった。
二つ目
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