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26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第十一話 十二月
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?」
 だが、ウスラはそこで止まらず、突き刺されたまま、俺の胴体へと一撃を放つ!
 痛覚がないSAOならではの、ゴリ押しだな……。
 こいつは心理戦うんぬん言ってる場合じゃなさそうだな。
 だったら、しょうがない。
 俺は一度、その手からグリュンヒルを手放し。
 再び振るわれようとしているその一撃が放たれる前に。
 ウスラの右手首を右手で掴んだ。
「なんだと!?」
 そこで、ウスラの動きが止まり、俺への一撃は阻止される。
「歯ァかみ締めとけ!」
 同時に俺は空いた左手で、ウスラの顔に向けて、体術スキルを発動し、顔面を殴る。
「ぐっ!」
 一気に、ウスラの体力が削れた。
 さらに突き刺さっている俺のグリュンヒルの蓄積ダメージ。
 もう少しで黄色ゲージに突入だ。
 そう思っていた直後。
 ウスラは、突如、その手にもったグリュンヒルを手放し。
 俺の左腕から繰り出されるハズだった二撃目の体術スキルを、手で受け止めた。
「体術スキルを使ってるのは、お前だけじゃないんだぜ、アルス!」
 ウスラのその声と共に。
 俺の脇腹に、ウスラの体術スキルを使った強力な蹴りが入る。
 意外に威力のあるその一撃に、俺も、体力が危うい状況になった。
 足元ってのは……こういう意味もあったのか……!?
 あと一撃。
 同じものを食らえば、俺が負ける。
 これは……マズイ。
 俺は両手がふさがってるし、この体制で蹴りが出来ないが、あっちは剣に突き刺さってるが故に、多少体勢を崩せる……。
 負けたか……!?
 そう思った、その直後。
 ウスラのHPゲージが、グリュンヒルの蓄積ダメージにより、ついに黄色ゲージに突入した。
 その直後、ウスラの頭上にLOSEの文字が浮かび上がり、デュエルの勝敗が決した。
 ギリギリでの勝利。
 恐らく、ヘヴンの助言が無ければ、俺が負けていただろう。
 俺は、己の勝ちを確認した後、ウスラの体から、剣を引き抜く。
 すると、ウスラも、ため息を吐きながら、落とした己のグリュンヒルを拾い上げた。
「くそ、俺の負けだ、アルス。 持ってけ」
 ウスラは悔しそうにそう口にすると、その手についた指輪を二つ、俺へと投げた。
「ああ、もらっておく」
 俺がそれを受け取ると同時に。
 ウスラは俺に背を向けて、歩き出した。
「とりあえず、満足したぜ。 またその内リベンジするわ」
 そんな捨て台詞だけ残して、ウスラはその場から去っていく。
 その後姿を眺めながら。
 俺は、幾つかの疑問を頭に浮かべていた。
 一つは、何故、アイツが俺の居場所を知っていたのか。
 俺はアイツをフレンド登録していないし、ギルドも違う。
 なのに、あいつは最初から、俺がここにいることを知っているようだった。
 二つ目
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