第十一話 十二月
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でその隣につけてる2個目の指輪ももらおうか」
俺がそう口にすると、ウスラは俺が指定した指輪を見て。
「ああ、なんだ、まぁ別にいいぜ。 こっちは大してレアアイテムじゃねぇし。 てことで、一丁やろうぜ!」
そんなことを、簡単に口にした。
……そこまで言われちゃ、やらない手はないな。
「よし、受けてやる」
そう言いながら、了承を押そうとした瞬間。
「……アルス。 足元に気をつけておけ」
背後から、ヘヴンが、小声でそんなことを言った。
その意味が理解し終わる前に、俺は了承ボタンを押す。
すると、俺とウスラの間に、デュエルスタートのエフェクトが出た。
「さぁて、行くぜ、アルス!」
開始直後、ウスラはそう言い放ちながら、こちらへと向かってくる。
その手に持つグリュンヒルにスキルエフェクトを輝かせながら……!
いつもの俺なら、ここで一度ガードして、相手が隙が出来たところを一気に踏み込むところだが。
敢えて、今回それはしない。
来る攻撃は大体わかっている。
同じグリュンヒル使いなんだから、相手のスキルも把握できる。
もちろん、相手もそれをわかっているだろう。
つまりこの勝負の真髄は……。
武器の腕じゃなく、心理戦だ。
飛んでくる攻撃は恐らくアバンラッシュ系統。
あれらの攻撃は、基本的に当たり判定が上半身より上に来る。
つまり、下へ潜り込めば攻撃は避けられるが……。
そこで、ヘヴンの先ほどの言葉を思い出す。
足元、か。
よくはわからないが……。
それに、注意させてもらうか。
ウスラからの攻撃を、俺は……。
横に飛んで、避ける。
「ハッ! かかったな!」
しかし、そこで、ウスラはあろうことか、体勢を低くし、横に飛んだ俺に向けて、連続で横薙ぎの攻撃を仕掛けてきた。
体勢を低くすることで、飛んでいる俺に対しての当たり判定は、丁度足元に来る。
だが……その攻撃。
俺も予測していなかったわけじゃない。
寧ろ、ヘヴンのアドバイスのお陰で、それに対応できる。
ここは迷宮区で、ダンジョン内なんだぜ。
つまり俺の飛んだ方向には壁がある。
俺はそこに飛んだまま、大剣をぶつけ、俺自身の座標をズラす。
「なぁッ!?」
「かかったのはお前だ、ウスラ」
ウスラの攻撃をそれによって避け。
一度着地してから、こちらを振り向こうとしているウスラに対して。
あえて、グリュンヒルで攻撃せず。
その服を掴む。
「人はどうしても手元に武器があると、それで攻撃しようとするが……。 別に、戦闘手段はそれだけじゃないんだぜ」
俺はそのまま、ウスラを壁へと投げると。
グリュンヒルで、その体を串刺しにした。
「やってくれるじゃねぇかァアアッ!!! アルス!
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