第十一話 十二月
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トラブルというのはやってきやすいものである。
俺達が狩っている最中、突如、その影は現れた。
「おー。 頑張っちゃってるじゃん。 何、年末なのによく狩るね。 つかれねぇの?」
突如として現れたその影を見て。
俺は、暫く、唖然とした。
その服装、その手に持つ大剣。
あまりにも、装備が俺そっくりだったからだ。
確かに、ネットゲームである以上、装備が被ることは珍しくない。
しかし、ここまで俺と同じ状態のやつは、見たことがなかった。
確かに髪型や髪色等、細かいところを見れば全然違うのだが。
服装もミッドナイトブルー&ゴールドの俺に対して、コイツはダークブラック&スパーリングシルバーだ。
「……何だ。 お前」
俺がその人物に、そう尋ねると。
ソイツは、ヒヒヒと笑いながら、口を開いた。
「そうだな。 自己紹介はしておいてやるよ。 俺はウスラ。 ちょっとアンタに用があってな」
そう言って、俺を見た後。
何かに気づいたように俺の背後にいた玖渚に視線を移した。
「っと、その前に。 なんだ。 玖渚じゃん、超久しぶりー!」
そんなウスラの言葉に、玖渚は凄まじくイヤそうな顔をした後。
「うわ……デスデュエリストのウスラじゃん……最悪。 アンタ、デュエリスト達から評判最悪だよ?
やってることPKと殆ど変わらないじゃん。 それで緑ポインター維持してるって、どうかしてるよ」
デスデュエル……?
一瞬、その単語の理解が難しかったが、その後の言葉でなんとなく理解は出来た。
デュエルの形式で、基本的にタブーとされている、完全決着型のデュエル。
つまり、互いのどちらかが死ぬことで勝敗が決されるデュエルだ。
それで決着がつけば、別に倒した方のポインターの色が変わることはない。
あくまでも、『決闘』という名目だからな……。
無差別な殺人であるPKとは根本が違う。
しかし、それでも人を殺していることには違いない。
そんなデスデュエルを専門としているから、デスデュエリストってことか……。
「オイオイ、デスデュエルをPKと一緒にしてくれるなよ。 あくまでも俺はシステムに則ってやってるだけだぜ。
無差別な殺人とは違う。 正攻法だ。 だから俺は別に悪くねぇんだよ」
そうウスラがベラベラと調子よく喋ると。
今度は、シャムが口を開いた。
「……君のことは知ってるよ。 ウスラ。 そこそこ有名な狩場荒らしとしてね。
人が狩ってる獲物を横殴りして、狩場を徹底的にめちゃくちゃにする。
正気の沙汰とは思えないな。 勝手に人の獲物を狩るなんて」
そんなシャムの言葉に、ウスラは再びヒヒヒと笑った後。
「何言ってんだよ。 攻略組様よー。 俺の狩場荒らしは善意だぜ。
お前ら攻略組様達が『誰でも自由に狩れる
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