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26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第十一話 十二月
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トラブルというのはやってきやすいものである。
 俺達が狩っている最中、突如、その影は現れた。
「おー。 頑張っちゃってるじゃん。 何、年末なのによく狩るね。 つかれねぇの?」
 突如として現れたその影を見て。
 俺は、暫く、唖然とした。
 その服装、その手に持つ大剣。
 あまりにも、装備が俺そっくりだったからだ。
 確かに、ネットゲームである以上、装備が被ることは珍しくない。
 しかし、ここまで俺と同じ状態のやつは、見たことがなかった。
 確かに髪型や髪色等、細かいところを見れば全然違うのだが。
 服装もミッドナイトブルー&ゴールドの俺に対して、コイツはダークブラック&スパーリングシルバーだ。
「……何だ。 お前」
 俺がその人物に、そう尋ねると。
 ソイツは、ヒヒヒと笑いながら、口を開いた。
「そうだな。 自己紹介はしておいてやるよ。 俺はウスラ。 ちょっとアンタに用があってな」
 そう言って、俺を見た後。
 何かに気づいたように俺の背後にいた玖渚に視線を移した。
「っと、その前に。 なんだ。 玖渚じゃん、超久しぶりー!」
 そんなウスラの言葉に、玖渚は凄まじくイヤそうな顔をした後。
「うわ……デスデュエリストのウスラじゃん……最悪。 アンタ、デュエリスト達から評判最悪だよ?
やってることPKと殆ど変わらないじゃん。 それで緑ポインター維持してるって、どうかしてるよ」
 デスデュエル……?
 一瞬、その単語の理解が難しかったが、その後の言葉でなんとなく理解は出来た。
 デュエルの形式で、基本的にタブーとされている、完全決着型のデュエル。
 つまり、互いのどちらかが死ぬことで勝敗が決されるデュエルだ。
 それで決着がつけば、別に倒した方のポインターの色が変わることはない。
 あくまでも、『決闘』という名目だからな……。
 無差別な殺人であるPKとは根本が違う。
 しかし、それでも人を殺していることには違いない。
 そんなデスデュエルを専門としているから、デスデュエリストってことか……。
「オイオイ、デスデュエルをPKと一緒にしてくれるなよ。 あくまでも俺はシステムに則ってやってるだけだぜ。
無差別な殺人とは違う。 正攻法だ。 だから俺は別に悪くねぇんだよ」
 そうウスラがベラベラと調子よく喋ると。
 今度は、シャムが口を開いた。
「……君のことは知ってるよ。 ウスラ。 そこそこ有名な狩場荒らしとしてね。
人が狩ってる獲物を横殴りして、狩場を徹底的にめちゃくちゃにする。
正気の沙汰とは思えないな。 勝手に人の獲物を狩るなんて」
 そんなシャムの言葉に、ウスラは再びヒヒヒと笑った後。
「何言ってんだよ。 攻略組様よー。 俺の狩場荒らしは善意だぜ。
お前ら攻略組様達が『誰でも自由に狩れる
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