第十一話 十二月
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は、ただ、無言で、残ったカルーアミルクを全て飲み干すと。
「……明日もメッセージを、飛ばしておくか……」
思ったことを口にして、自室へと戻っていった。
そんな彼女の言動は、普段から考えらず、ありえないと言えるほど、彼女らしからぬ、異常な言動だった。
同時刻。
聖夜の街中、宿屋に。
一人の影があった。
街中であるにも関わらず、その物騒な大剣を手に持ち。
狙ったように、宿屋の一室の扉をガンガンと叩き始める。
「な、なんだよ! 誰だ! うっさいぞ!」
部屋の中から現れた、装備をパージした男性を見るなり、その影は男性の腕を掴み。
「ようリア充。 俺は今からテメェにデュエルを申し込む」
「は、ハァ!?」
相手が唖然としている間に、デュエル画面を押し付けたかと思うと。
握っている腕を無理やり動かし、デュエルを認証させた。
「お、オイ! ふざけるなよ! しかもこれ、HPが0になるまで終わらないデュエルじゃ……」
男性がそういい終わる前に、影は男性を蹴り飛ばすと。
部屋の中へと入り、その姿を露にした。
「ああ、そうだ。 デスデュエル。 しらねぇのか? ラフィンコフィンっていうギルドの連中でもやってるぜ。
まぁ相手が寝てる間に勝手に指動かして了承させるってやり方だが。 俺はほら、相手が起きてる間にやってるから。 良心的じゃね?」
ダークブラックとスパーリングシルバーの二色の服装に包まれ、グリュンヒルを持つ彼こそ。
デスデュエルと狩場荒らしを専門とする、ウスラだった。
「ば、馬鹿野郎! 良心的もクソもあるか! 兎に角、俺はこんなふざけたデュエルなんか……」
そう言いながら、大人しく降参をしようとした矢先。
ウスラの持った大剣が、ベッドに向けられる。
否……正確にはベッドではない。
その上にいる、恐怖によって無言で震える、半裸の女性に、向けられていた。
「オイオイ。 いいのかよ? テメェが拒否ったら俺の大剣はコイツに向けられるだけだぜ?
回避する方法は唯一つ。 この俺様に勝つことだ」
挑発的にそう言葉を発するウスラに、男性はしばし女性とウスラを見比べた後。
「……上等だ! 殺すのは気が引けるが、倒させてもらう!」
そう口にして、装備ウィンドウを開く。
だが。
「バーカ。 何やってんの?」
その瞬間、ウスラの手に持ったグリュンヒルが、男性の両手首を叩き斬る。
「なぁっ……!?」
失った手首を視界に写しながら、男性は唖然とした。
まさか、装備しようとしたその瞬間に、攻撃されるとは思ってなかったからだ。
しかし、それは完全に、唯の油断だった。
「お前さぁ。 ここがアニメとか漫画とか特撮の世界だと思ったの?」
再び、ウスラからの攻撃。
装備を
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