暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第5話 「金色の来訪者」
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に行くためにジュエルシードに手を出したんだったかな。

「……君も気まぐれで選ばれたの?」
「多分そうだと思う。ああいう存在は面白くなりそうだからってことで色々とやりかねないし。まあ何にせよ、私からすればありがたいことなんだけどね」

 アリシアさんの笑みには喜びの感情が見てとれる。けれど、どことなく寂しげな感情も混じっているように思えた。
 ……寂しく思うのも当然かもしれない。
 転生ということは、この世界は彼女にとっては別の世界……同じような時間が流れた並行世界の可能性が高い。同じ世界に転生できていたとしても、テスタロッサの姓を使っていないということは同じ存在として生きられないということだろう。

「早く死んじゃった私にもう一度生きる機会をくれたわけだし……16歳になるまでの過程がないのはちょっとあれだけど。でも……うん、多分大丈夫。今後の日々は私にとって楽しいものになると思う」
「……会ったばかり……それも露骨に警戒しちゃった僕が言うのもあれだけど、君は本当に今考えてる生き方で今後生きていくつもりかい?」

 アリシア・テスタロッサだったのならハラオウンさんは妹に等しい存在のはず。またこの世界では唯一残っている家族とも言える存在だ。
 おそらくアリシアさんは今ハラオウンさんの姉ではなく、ハラオウンさんにそっくりな他人として生きようとしてる。だけどそれで彼女は本当にいいと思っているのか。強い意志がなければ、今後の生活は辛いものになりかねない。
 アリシアさんは、僕が胸の内で考えていることに見当が付いたのか優しげな笑みを浮かべる。

「生きていくよ。だって私はもうフェイトの姉《アリシア・テスタロッサ》じゃなくて、フェイトに似た人《アリシア・ライトミリア》なんだから」
「それはそうだけど、あの子達は別にテスタロッサの姓を使ったとしても」
「確かにそうしてもいいって言われたよ。でも……あの子はこれまでに苦痛や絶望を味わいながらも、折れることなく頑張り続けて、今の幸せな日々を手に入れた。私はそれを壊したくない。あの子が幸せながら……それでいいの」

 泣きそうな顔で必死に笑うアリシアさんの瞳には強い意志が宿っているように見えた。おそらく転生する際に覚悟を決めていたのだろう。そんな風に思わせられる強い意志が。僕が……いや、誰が何を言っても簡単に彼女の考えが覆ることはないだろう。
 自分勝手に……ただのアリシアとして生きられたのなら、この子はもっと楽に生きられるんだろうな。
 けれどアリシアさんはハラオウンさんのそっくりさんとして生きることを選んでも、彼女の姉としての自分を忘れようとしていない。お姉ちゃんはやっぱりいつまでも経ってもお姉ちゃんということだろう。
 一瞬自分の存在を隠して生
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