ターン36 鉄砲水と破滅の光
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直あれが無かったら私でもひっくり返すのは無理だったかも、だって」
「俺も似たようなものだな。そういえば清明、こんなものを預かったぞ。お前に渡してほしいそうだ」
そう言って、きれいに折りたたまれた手紙を出す万丈目。とりあえず開いて中に目を通すとそこには自分一人で片を付けるつもりが余計に面倒事を引き起こしてすまなかったという謝罪の言葉とそれでも何とかしてくれた僕たちに対しての感謝、とりあえずウリアのカードはそちらで預かっておいてほしい旨、そしてこんなとんでもないことが書かれていた。
『(中略)さて、俺の今後のことなんだが。実は光の結社にいる最中でデュエル統一理論の第一人者、ツバインシュタイン博士からうちに助手をしに来ないかとの大変名誉な誘いを受けてな。なんでも、俺の思考パターンが気に入ったらしい。そこで君たちに合わせる顔もないことだし、しばらくの間アカデミアを休学して博士のところで働いてみようかと思っている。それに、この分野には俺も以前から興味があった。去年起きた不思議な出来事から考えても、いわゆるデュエルモンスターズの精霊が現実に存在するのは明らかだろう。となれば、それを科学的に解明すること。それが、今の俺にとっての目標なんだ。こんな別れ方になるのは心苦しいが、今の俺にはお前に合わす顔がない。それにもし正式にみんなに別れを切り出したりして、自分の決心が鈍るのが俺には一番怖い。だから、こんな別れ方しかできない俺を許してくれ。いつかまたアカデミアに戻ったら、必ず会おう。しばしの間さらばだ、清明。三沢大地』
なんかの間違いではないかと1回読んだ後、もう1回丁寧に読み直してみる。まあ生真面目な三沢の性格からいって、これ全部本気の文章なんだろう。まったく、三沢らしい道というかなんというか。
ちょっとしんみりしていると、今度は上からヘリコプターの音がすぐそばまで近づいてきた。その中を見ていた斎王が、喜びの声を上げる。黒服の男たちと一緒にそこにいて斎王に手を振るその女性は、美寿知だった。
ま、おおむねハッピーエンドってことでいいのかね。
「……あとは、ユーノが帰ってくれば」
小さなつぶやきを聞いたのは、チャクチャルさんたち精霊しかいなかっただろう。一体ユーノ、どこに行っちゃったんだろう?
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