ターン36 鉄砲水と破滅の光
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、イヤミにも聞こえるようなその言葉にも斎王は静かに微笑んだ。
「ええ。もうこんなものは、私の役には立ちませんから」
そういって、懐にしまってあった1組のタロットを空にめがけて投げつける。思えば光の結社が来てから、ずっとそれに翻弄されっぱなしの日々だった。これからは久しぶりに、いつもの日常が戻ってくるだろう。
「おーーーい、シニョール清明ー!」
「あれ、クロノス先生?」
僕の名前を呼ぶ声に、そちらを向く。手に何か紙のようなものを持ったクロノス先生が、ちょうどこっちに来るところだった。そしてその紙を、僕に向けて押し付けてくる。
「どうしたんです、クロノス先生?」
「どうしたもこうしたもないノーネ、それはこっちのセリフですーノ。全然連絡が取れない上ーに、寮に行ってもいないものだから徹夜で探しましたノーネ」
「あー……ごめんなさい」
「よろしい。さて、本日の要件ですーガ、シニョール清明は今年度、まだ学期テストを受けていないノーネ。このままではこの時期にもう留年が確定してしまいますーガ、シニョールについては多少考慮する余地があるので救済措置として特別に明後日……いえ、もう日付が変わったから明日ですね。とにかく、ワタクシクロノス・デ・メディチ監修の特別テストを行いますーノ」
「え……えええええっ!?」
テスト!?なんで僕が!?と言いたいところだけど、残念ながら心当たりがないわけじゃない。確かあれは十代が行方不明になる直前のことだけど、ユーノの罠にはまって時の魔術師のタイム・マジックをまともに受けた日。そういえば、確かあれはテスト前日のことだったような。そのあと時間停止を喰らってようやく復帰したと思ったら光の結社が攻め込んできてて、それ以降はもうテストどころじゃなかったからきれいさっぱり忘れてた……!
「明日?全教科?」
「その通り。留年しないような点を取ることを期待してますノーネ。では、私はもう布団にくるまって眠りたいのでさよならでスーノ。ふわぁ〜」
最後に大あくびをしながら、今来た道を引き返していくクロノス先生。手書きで『テストのお知らせ』と書かれた手元の紙を見て、思わず頭を抱える。
「勉強手伝おうか、清明?ってさ」
「ありがとうございます夢想様!三沢もできればお願いしたいんだけど……ってあれ、そういえば三沢は?十代、一緒じゃないの?」
「あいつは俺もどこ行ったかわかんないんだよな。お前らはどうだ?」
十代がその下の階にいた、翔と夢想と万丈目に話を振る。
「僕は階段で見かけたけど、白い制服のままだったからつい隠れちゃって……」
「私はちょうど詰みかかってたところに通りかかって、そこでやってたバトルロイヤルに乱入してハーピィの羽根箒とサイクロンで露払いしてもらったよ、ってさ。正
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