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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン36 鉄砲水と破滅の光
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か死神の巡遊や光の結界と同じように3枚のラッキーパンチのカードが斎王の頭上で同時に、それぞれ異なるスピードで回転を始める。要はあれだ、あの中で1回でも裏を出せばいいわけだ……と思っていたら、僕がストップ宣言をする前に斎王がすべての回転を停止させた。

「正位置、正位置、そして正位置。これにより、3枚のカードをドローさせてもらおうか!」
「そんなこったろうと思った。だけど、地縛神の攻撃はもう止まらない!」

 地縛神 Chacu Challhua 攻2900→斎王(直接攻撃)
 斎王 LP6000→3100

「へへっ、どんな……うっ!?」

 ここで限界。皆まで言い切ることもできず、立っていられないほどの痛みに膝を折る。一気に襲ってきた吐き気に思わず口を開くと、胃液どころか血の塊が湿った音とともに床に落ちたのがぼやける視界で辛うじて見えた。実を言うとチャクチャルさんが空に飛び立ってから、なんとなく胸が苦しい感じはしていた。だけど、まだいけるだろうとのんきに構えて気づかないふりしてるうちにどんどん苦しさが増し、あっという間にこれまで感じたことのないような痛みが全身を埋め尽くした。

「ふん、つまらんことを考えるからだ。運命に逆らうものの末路はみじめよのう」
「誰、が……がはっ!」

 どうしようもない原因不明のその痛み、全身が消えてなくなりそうな感覚と戦いながら……いや、それは間違いだ。その原因はよくわかっている。あの事故で本来死んだ僕の魂をこの体に繋ぎとめて動かしているのは、ひとえにチャクチャルさんの持つ力だ。常にチャクチャルさんから生きるためのエネルギーを供給してもらっているようなものである。そして今、物理的なチャクチャルさんとの距離が極端に離れたことで、その結びつきもそれだけ小さく弱くなっている。普通に日常生活するだけなら僕の体に普段から溜まってる地縛神の力だけでも問題ないけれど、よりにもよってチャクチャルさんの実体化までやるとなるとそのストックすらゴリゴリ削れていく。
 早い話が、僕の体は今現在ダークシグナーとしても死を迎え、砂に変わろうとしているのだ。その証拠に、たった今吐いたばかりの血の塊はもう風化して消え、床には染み1つ残っていない。並大抵の痛みなら頑張る気だったけど、予想以上に実体化の僕への負担が激しい。

「チャク、チャル、さん」

 声を絞り出してその名を読んでも、まだ帰ってこない。意識も薄れてきたけど、ここで気を失ったらデュエル続行不可能と判断されて自動的に負けが決まってしまう。あと少し、きっとあと少しで帰ってくるはずだ。だからそれまで、石に噛り付いてでも持ちこたえれば……!

「清明っ!」

 辛うじて意識を繋いでいたけど、それすらきつくなってきた瞬間に声がした。無論、僕はその声の主をよく
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