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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン36 鉄砲水と破滅の光
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わからないし、なるべく早くけりをつけねばな。とは言ったものの、これは少々厄介だな』

 どこか心配げにそうひとりごちるのには訳がある。地縛神信仰が行われていた5000年前ならいざ知らず、今の世は既に科学全盛期である。すでに世界各国があらゆる場所から通信用なり気象用なりの衛星を飛ばしまくったことで、いくら世界を見続けていたとはいえ科学的なことには今一つ知識の浅いチャクチャルアにはどこにソーラがあるのか一目ではわからなくなっていたのだ。
 まさか全部破壊するわけにもいくまいとあちこち見まわしていると、突然たまたま近くを回っていた衛星の1つから声がチャクチャルアの心に響いた。

『こちらです、太古より大地に縛られし神よ。これ以上、破滅の光の好きにはさせない!そのために、私の言葉を信じてください』

 聞き覚えのない女性の声。信用に足る人間かとのチャクチャルアの躊躇を、はるか下から伝わってくる清明の苦しみが後押しした。

『……よかろう。ソーラはどこにある?』
『あちらに。お願いします、斎王を……兄を、救ってください!』
『兄?なるほど、兄妹(きょうだい)の情、という訳か』

 それ以上は何も聞かず、巨体が揺らいだかと思うとすぐに向きを変えて声の示す方向に空中を泳いでゆく。その途中で、地上から近づいてくる茶色の影に気が付いた。まごうことなき肉食恐竜のシルエットに、なぜか見覚えのある黄色い恐竜柄の帽子をかぶったそれはチャクチャルアに気が付くと、その目を丸くした。

『む?』
『あれ、確かアンタは清明先輩のモンスター……そうか、アンタもソーラを破壊しに来たのかドン?』
『アンタ……まあいい、お前は』
『よく聞いてくれたザウルス。男ティラノ剣山、恐竜が鳥に進化したのと同じように俺も進化して、宇宙へ飛び立つスペースザウルスに進化したんだドン!』

 1から10まで訳の分からない目の前の現実に、5000年の長きに渡り世界を観察しつづけていたチャクチャルアですら一瞬言葉を失う。あるいは地縛神がかつて世界を支配できなかった理由は、人類の持つこの無限の可能性を軽視しすぎたことにあるのではないか。そんな考えまで頭をよぎるが、とりあえず昔の反省は後でいくらでもする時間はあると気を取り直す。

『いいだろう。時間はない、私について来い!』
『わ、わかったドン!』





 一方、再び地上に戻って。モンスターとしてのチャクチャルアが口から衝撃波を連続で放ち、それが斎王に迫る。

「ヒヒヒ、貴様ごときに破滅の未来は変えさせん!この瞬間に永続トラップ、ラッキーパンチを発動!1ターンに1度、相手の攻撃宣言時に3度のコイントスを行うことでそれがすべて表ならばカードを3枚ドローする!」

 コイントスと明言したにもかかわらず、なぜ
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