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八神家の養父切嗣
十二話:狂気の笑み
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銃に爆弾……なんだか今までで一番犯罪者みたいな人だね」
「みたいというか、そのものだと思うよ、なのは」

 質量兵器の所持による罪状が増えたとぼやく、エイミィ。
 その横でなのはが犯罪者みたいな人物だと思わず零してしまう。
 ユーノはみたいではなく犯罪者だと苦笑しながらツッコミを入れる。

 しかし、内心では今までなのはが会って来た犯罪者というカテゴリに入る人物が皆犯罪者らしくなかったので無理もないかと思う。
 実力はともかく見た目は子どもや女性がほとんどだったので今回の如何にも犯罪者ですという人物は見慣れていないのだ。

「それに服装も黒づくめで殺し屋みたいだし」
「黒づくめ……殺し屋……」
「あ! ち、違うんだよ、フェイトちゃん。フェイトちゃんのことはそんな風に思った事は無いよ」

 ふと、自身の服装も黒づくめだという事に気づきへこむフェイト。
 慌ててなのはが誤解を解くが心の隅で今度からは黒を抑えめにしようかと考えるフェイトだった。
 一方リンディは殺し屋という言葉にどことなく引っ掛かりを覚えるのだがそれが何なのか分からずに喉の奥に小骨が刺さったような顔をする。

「取りあえず僕に分かることはここまでだ。次に問題になって来るのは何故、主が闇の書の完成を目指すのかだ」
「理由って、ジュエルシードみたいに凄い力が欲しいってだけじゃないのかい?」

 そんなことをわざわざ考える必要があるのかとアルフが首を捻る。
 彼女の考えとしてはその力を使って何かしたいことがあるから完成を目指しているだけではないのかというところだ。
 しかし、クロノは物憂げに首を振り説明を始める。

「ジュエルシードと違って闇の書は完成しても破壊しかもたらさない―――主も含めてね」
「別の使い方があるのかもしれないけど少なくとも過去の事例では存在しない以上はその可能性も低いわ。……今までの主で完成後に生き延びた人はいないのよ」
「……まるっきり呪いの書だね、そりゃ」

 クロノとリンディに語られる闇の書が辿る結末にゲンナリとした表情を見せる。
 しかし、とも考える。例え破壊しか振り撒かない代物であろうと己の目的の達成のためであればためらいなく使う人物を彼女は知っている。
 チラリとフェイトの方を見て喉まで出かかった人物の名を呑み込み、無かったことにする。
 今の主にはきっと辛い事だろうから。

「現地住民が偶然闇の書の主になった場合なら訳も分からず蒐集をさせているという線もあったが、正規の魔導士である以上は自分がどういったことをしているか分からないはずがない」
「じゃあ、その人は破壊の力を求めている?」
「管理世界でも闇の書についてはそこまで知られているわけじゃない。ただ、騎士達から絶対的な力が手に入ると唆されただけ
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