大切なもの〜
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ィィィィ!?!?」
次々に悲鳴を上げて賊が逃げようとするが・・・
「・・・逃がすかよ」
跳躍し、賊の目の前に着地する。
「逃がすと思ったか?」
「あ・・・あぁぁ・・・」
その時、背後にいたロザリアが転移結晶を取り出したのが見えた。
「転移ーーー」
クナイを投げようとしたが・・・それよりも早く、ロザリアが持つ転移結晶を弾き飛ばした奴が現れた。
「逃げられたらどうするんだ?コウハ」
「いやあ。来ると思ってたよ、キリト」
「キリト・・・!?・・・く・・・《黒の剣士》まで・・・!」
キリトはロザリアの襟首を掴んで引き摺ってくる。
「は・・・離せよ!!どうする気だよ畜生!!」
俺はストレージから転移結晶よりずっと濃い青色の結晶を取り出す。
「これは依頼してきた人が全財産をはたいて買った回廊結晶だ」
回廊結晶とは予め設定した場所に転移できる物だ。・・・ただ、転移結晶の何倍も高い。
「これで牢屋に飛べ。そうすりゃ軍の連中が面倒見てくれるさ」
ロザリアはいくらなんでも殺しはしないのだろうと思ったのか、笑みを浮かべる。
「もし、嫌だと言ったら?」
「「全員殺す」」
・・・こう言う時は兄弟の意思は合いやすいものだ。・・・ただ、キリトは溜め息を吐き、短剣を取り出す。
「と、言いたいとこだけどな・・・仕方ない、その場合はこれを使うさ」
「麻痺毒か」
「ああ。食らえば十分は動けないぞ。全員放り込むのに、そんだけあれば充分だ。自分の足で入るか、投げ込まれるか、どっちでも好きな方を選べ」
「斬り殺されるって選択肢もあるけど?」
「コウハ」
「はいはい・・・」
結晶を使用すると、目の前に青い光の渦が出現する。
「畜生・・・」
一人が諦めて入ると、他の面々は次々に渦に飛び込み・・・残るはロザリア一人になる。
「・・・やりたきゃ、やってみなよ。グリーンのアタシに傷をつけたら、今度はあんたがオレンジに・・・」
俺はそれを全部聞く前に襟首を掴み・・・喚くロザリアを無視して渦に放り込んだ。
「・・・」
そして辺りが沈黙し、俺はシリカから・・・目を逸らした。代わりにキリトが口を開く。
「ええと・・・シリカさん、かな?」
「あ・・・し、シリカで構いません。えっと・・・コウハさんのお兄さん・・・ですよね?」
「ああ、俺はキリトだーーーー」
キリトが説明しようとするが、俺はキリトを止める。
「・・・自分から話すよ」
「・・・いいのか?」
俺は頷き、口にする。
「・・・ごめん。俺達の目的はさっき言った通りで、結果的にシリカを利用し
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