暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
大切なもの〜
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「・・・」

この装備だ。やたら目立つし噂になるに決まってる。シリカにも一度聞かれたが、ただ見映えをよくしたいだけと誤魔化していた。

「や、やばいよロザリアさん。こいつ・・・こ、攻略組だ・・・」

その場にいた全員に緊張が走るのが分かる。

「こ、攻略組がこんなとこをウロウロしてるわけないじゃない!どうせ、名前を騙ってびびらせようってコスプレ野郎に決まってる。それに・・・もし本当に“鈴の音”だとしてもこの人数でかかればたった一人くらい余裕だわよ!!」

その言葉に賊の一人が叫ぶ。

「そ、そうだ!攻略組なら、すげえ金とかアイテムとか持ってんぜ!オイシイ獲物じゃねえかよ!!」

それを皮切りに全員が抜刀する。

「コウハさん・・・無理だよ、逃げようよ!!」

俺はそのまままっすぐ歩み続けるま。

「オラアアア!!」

「死ねやアアア!!」

半円形に取り囲んでくる賊の連続攻撃。

「いやあああ!!」

シリカの絶叫が聞こえるが・・・


ヒュン!

フォン!

・・・だが、誰の一撃も当たらない。全ての攻撃を避ける。

「は、はえぇ・・・」

「なんで当たらないんだよ・・・!」


「遅いな。手加減してるのか?」

俺は首を回して・・・笑う。

「仕方ねぇな。ほれ、全員一発当ててきな」


俺は両手を広げ、もう一度笑う。

「な、舐めんなぁぁぁぁ!!」

全員のソードスキルを炸裂し、再びシリカが悲鳴を上げるが・・・

「・・・残念だったな」

俺のHPは全く変わっていなかった。いや、少し削れたが・・・すぐに全回復する。


「アンタらの総攻撃の威力よりも、俺の戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルの回復量の方が多いみたいだな」

戦闘時回復スキルは十秒ごとに一定のHPを回復するスキルで・・・習得する方法は簡単。・・・HPを危険域に落としまくればいい。


「・・・一回は一回・・・だよな」

俺は擬音を構え・・・ソードスキル無しで横一文字に薙ぎ払う。



ズバァァン!!

「ぎゃあああ!?」


全てのオレンジプレイヤーのHPが一撃で危険域に突入する。

「・・・悪い悪い。半分くらいに止めるつもりが・・・」

俺は手前の一人に擬音を突き付ける。・・・俺にとっては心地の良い鈴の音も、コイツらには死神の呼び声に聞こえるだろう。

「・・・危うく殺しちまうとこだったよ」


ちなみに既にオレンジのプレイヤーを攻撃してもこちらがオレンジになることはない。

「まあ・・・一人くらい殺しても、うっかりで済むよな」

俺は本気だ。これ以上抵抗するのなら・・・容赦はしない。

「ひ・・・ヒィ
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