大切なもの〜
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リカが泣きそうな声で叫ぶ。
「そんなはず・・・あ、いや、見なよ」
「あ・・・」
ゆっくりと岩の上から芽が伸びてきた。どうやらプレイヤーを判別してから咲くので、ラグが発生していたのだろう。やがてそれは綺麗な花が咲かせた。
「これで・・・ピナを生き返らせられるんですね・・・」
シリカが花をそっと掴みながら言う。
「うん。心アイテムに花の雫を振りかければいいんだよ。ただ、モンスターが多いから帰ってからにしようか」
「はい!」
今までで一番の笑顔を浮かべながらシリカは歩き出す。
「・・・」
このまま済めば良かったが・・・そうは行かないようだ。
「〜〜〜♪」
橋に差し掛かった辺りで俺はシリカを引き留める。シリカは振り返り、固まる。
「・・・そこで待ち伏せてるの、出てこい」
「え・・・!?」
索敵に引っかかった反応にそう告げると、やがて・・・昨日の女が現れた。その手には細い十字槍を持っている。
「ろ・・・ロザリアさん・・・!?なんでこんなところに・・・!?」
女・・・ロザリアは俺を見て唇の片側を吊り上げて笑った。
「アタシのハイディングを見破るなんて、中々高い索敵スキルね、剣士サン。侮ってたかしら?」
ロザリアはシリカに視線を移す。
「その様子だと、首尾よくプネウマの花をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん」
ロザリアはやっぱりと言うべきか・・・呆れる言葉を出してきた。
「じゃ、さっそくその花を渡してちょうだい」
「・・・!?な・・・なにを言ってるの・・・」
俺はシリカを後ろに押しやり、口を開く。
「そうは行かないんだよね。ロザリアさん・・・いや、犯罪者ギルド《タイタンズハンド》のリーダーさん?」
ロザリアの顔から笑みが消えた。・・・どうやら魚は完全に釣れたみたいだ。
「え・・・でも・・・だって・・・ロザリアさんは、グリーン・・・」
シリカが疑問を口にするが・・・俺は答える。
「別にオレンジギルドと言っても全員がオレンジじゃない場合が多いんだよ。グリーンが獲物を見つけ、パーティーに紛れ込んでギルドメンバーが待ち伏せしている場所に誘導する・・・宿で盗み聞きしてたのも仲間だろうな」
「そ・・・そんな・・・じゃ、じゃあ、この二週間、一緒のパーティーにいたのは・・・」
ロザリアは再び人を苛立たせる笑みを浮かべる。
「そうよォ。あのパーティーの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が貯まって、美味しくなるのを待ってたの。本当なら今日にもヤッちゃう予定だったんだけどー」
シリカを見ながら舌で唇を舐める。
「一番楽しみな獲物だったあんたが抜けちゃ
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