地雷
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〜〜Side of はやて〜〜
前方から紫色の凄まじい落雷が発生してしばらく後、私とゼスト隊長もようやくミッドチルダ首都クラナガン湾岸地区に到着した。しかしそこで繰り広げられていた戦闘は、私達の常識を覆す光景やった。
「これは……どういう事だ? 水の防護が無くなっている上、再生したはずの右腕がまた斬り落とされ、巨大な質量兵器がファーヴニルの進攻を正面から抑え、左腕の方では見た事の無い魔導師が交戦している。一体どこの勢力がやった?」
「サバタ兄ちゃんや……! あの子達の正体はさておき、サバタ兄ちゃんに関わる人達が来てくれたんや!」
私にとって最も心強い援軍に私達の気持ちが一気に昂ぶる。サバタ兄ちゃんが来とるという事は、どこかにマキナちゃんもおるって事になる。彼女とは話せる内に話しておきたいけど……今はこの戦いに集中しよう。
と思った次の瞬間、私の目の数ミリ前を黒いオーラで形作られた腕が貫く。前髪数本が触れて揺れたが、あまりに突然の事だったため思わず全身が冷水を浴びたかのように寒気が走って硬直してしまう。だがその腕が現れたのには、真っ当な理由が存在していた。
「何をボサッとしている! はやて! そんな所に居たらラタトスクの針に当たるぞ!」
「さ、サバタ兄ちゃん!?」
どうやら当たると動けない状態でラタトスクに一定時間引き寄せられる針が私の方に流れて来ていたようで、それを防ぐためにギリギリの位置に黒いオーラの腕を置いてくれたらしい。しかしサバタ兄ちゃんは私が声をかけようとする前に暗黒転移で別の場所に行ってしまう。
サバタ兄ちゃんとラタトスク、二人の戦いは暗黒転移と異次元転移の無限発動によって、超高速を上回るバトルになっていた。一方の攻撃が当たろうとした瞬間、もう一方が転移で回避して反撃、それをまたもう一方が転移して反撃、もしくは防御する。反射と思考、先読みに反応速度、その全てを限界以上に駆使。人間とイモータル、引き出せる力の限界をぶつけ合い、生存権を獲得せんとしている。
私の前からファーヴニルの背部に現れた一瞬では、ここに来る前に私達に……正確にはリンディさんに対して使った影分身をラタトスクが呼び出していた。その影分身はクロノ君だけでなく私やなのはちゃんの姿まで模して生み出し、動揺を誘うべく盾として利用されていたが、性質を本能的に察したのかサバタ兄ちゃんは攻撃せず影分身の合間をゼロシフトで駆け抜け、本体のラタトスクに斬り込む。その斬撃は異次元転移でかわされてしまうが、サバタ兄ちゃんもほぼ同時に暗黒転移して戦域を他の場所に移した。
次に現れたのは市街地の方で、ラタトスクは異次元から呼び出した無数の剣や斧を壁やビルの上、地面に物陰という至る所から縦横無尽に飛ばしてきた。そのほとんどはサバタ兄ちゃんを狙って、
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