プロローグ
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(暇だな〜。本で読んだ、家出というものをしてみたいなぁ…)
草の上でシュレは普通の4才が考えないようなことまで考えているが、それもそうだろう。シュレは生まれつきの天才肌で、1を教えると10がわかってしまうような子だった。
ドッスゥゥゥン!!!
大きな地響きがしたため、シュレは慌てて立ち上がり、辺りを見回す。
(なんだ?なっ!?)
シュレはそこにいたものに驚愕した。
そこにいたのはーーーーー竜
「我は雷の竜、ラクスマーニ。我と一緒に来ぬか?」
ラクスマーニと名乗った竜はそう言い、翼を広げた。その翼はゆうに30メートルはこえていた。
「付いていったら何かあるのか?」
「ああ、滅竜魔法を授けよう。」
「滅竜魔法!?」
シュレが驚愕するにも納得する。シュレはいつもと言ってもいい程本を読んでいるが、滅竜魔法とは聞いた事がないからだ。
「どんな魔法なんだ?」
「うむ、滅竜魔法とは自らを竜の体質にする対竜用の太古の魔法だ」
「!?」
シュレはさらに驚愕したが、滅竜魔法を覚えればギルドに入れると考え、ラクスマーニに付いていくという選択した。
「では我の背に乗れ」
ラクスマーニは命令口調でそう言った。そしてシュレはラクスマーニの翼と翼の間に乗り、伏せた。
「行くぞ」
「おうよ!」
ラクスマーニは地を蹴りーーー飛んだ。
それと同時刻、ハートフィリア家ではシュレがいなくなったことに大騒ぎになっていた。
「シュレはどこだ!」
「わ、わかりません…。山に行ったと思いますが…」
シュードの怒りや焦りを含んだ声に使用人はびくびくとしながら答えた。
「すぐに探してくれないかしら?」
「は、はい!」
レイラはいたって冷静にそう言った。そして、声をかけられた使用人は慌てて山へシュレを探しに行った。
「シュレ……」
「シュレ…どこに行ってしまったの…?」
「……お兄さま……?」
シュードとレイラが振り向くとそこにはーーー
「ルーシィ……」
シュレの妹、3才になったばかりのルーシィがいた。
「ルーシィ、お兄さまはね、」
「し、親戚に引き取られたんだ」
慌てて嘘をついたシュードとレイラをルーシィは交互に見、3才でも昨日までいた人が突然いなくなることには疑問を感じるのか、ルーシィは何で?と親に尋ねた。
「とても頭がいいからよ」
少し焦ったが、レイラが冷静に答えた。
「ふーん」
幼いルーシィはその答えで納得してしまったようだった。
「ここが今からシュレイダー、お前の家だ」
ラクスマーニがシュレを連れて来たのは山にある、大き
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