暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第4話 「八神家の弟子」
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……。
 いやこれだと嘘で言ったみたいになるか。実際のところ僕はミウラのことを可愛いと思っているわけで。って、これも何だか誤解されそうな気がする。でも……仕方がないじゃないか。誰だって親しくしてる年下の子は可愛く思えるものだろ!

「まあ今はトレーニングに集中しろ。ミウラはすでに準備万端だ」

 誤解されそうな可能性があるだけにここで打ち切りたくはなかった。が、ミウラに意識を向けてみると、そこには愛機のスターセイバーを起動させて戦闘服を纏っている彼女の姿があった。今日ここを訪れたのはトレーニングがメインなだけに気持ちを切り替える他にない。

「――来てくれ、シュヴァルツアイゼン」

 騎士服を身に纏いながら黒い刀を握り締める。ミウラとの距離がいつも以上に離れているのが気にはなるが、今日の僕は僕としてミウラと手合わせしにきたわけじゃない。シグナムさんの代わりとしてここに居るんだ。
 ――思い出せ……あの人の剣を。
 脳内に保管されているシグナムさんの記憶を高速で辿り、彼女の体捌きや太刀筋を復習する。
 この世界に転生してからしばらくの間、僕は剣や魔法を他人から学んでいない。全て独学だったり、他人のものを見て盗んでばかりいた。
 魔法に関しては資質的に使えるものは限られている。だから技術を盗んだりすることは難しい。
 けれど剣ならば話は別だ。きちんと観察して太刀筋や型、呼吸を理解できれば相手の剣を自分のものにすることは充分に可能。そう思って取り込んでいる内に、僕は《複写剣技》とも呼べるものを完成させることに成功した。

「お前のそれは相変わらずだな。シグナムの剣はそうそう真似できるものではないはずだが」
「完全に自分のものに出来ているわけじゃありませんよ。シグナムさんの本気は見たことがありませんから。なので、これを使って戦ったところで勝ち目はないでしょうね」

 それも当然の話だ。流派が同じでも使用者によって技の威力は異なるのだから。僕とシグナムさんでは剣の技量に明確な差がある以上、今の《複写剣技》で勝てる可能性はないに等しい。
 ただ……シグナムさんの本気の剣技を見切ることが出来たなら話は違ってくる。
 敵の剣術を完全に封殺する方法。これを僕なりに考えた答えは、敵の剣術の欠点をなくした上位互換の剣術を編み出すことだ。これが出来れば、こちらは相手の欠点を知り尽くしていて、尚且つこちらには欠点がない。必然的にあらゆる攻防で優位に立てる。
 まあシグナムさんレベルの剣を見切るのはとても時間が掛かるんだけど。今使えるものも何度も手合わせしてやっと形になったものだし。大会までにもっと仕上げられるといいんだけど。実質僕は剣を使って戦うしか出来ないんだから。

「それは否定せんが……。それにし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ