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魔法少女リリカルなのはVivid 〜己が最強を目指して〜
第4話 「八神家の弟子」
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を切らさないようにしないと。

「――よし!」

 気合を入れ直した僕は、道行く人の数が減ったこともあって走り始めた。八神道場が開かれている浜辺までの距離を考えると、ウォーミングアップにはちょうどいい距離だろう。
 周囲に気を付けながら走り続けていると、建物で遮られていた視界が一気に開け遠目に青い海が見えた。それに伴って心地の良い風が吹いてくる。久々の海の香りを感じながらしばらく走り続け、ついに目的地に到着した。
 浜辺にはふたつの影。近づいていくと、浅黒い肌の男性がアップのような練習を行っている短髪の少女を見守っている姿が見えた。

「……来たか」

 こちらの気配に気が付いた男性が静かに話しかけてきた。声や姿からして、僕が知っているザフィーラさんに間違いない。

「お久しぶりですザフィーラさん。待たせてしまってすみません」
「急に頼みごとをしたのはこちらだ。気にする必要はない……さて」

 ザフィーラさんはいったん口を閉じると、少し離れた場所で体を動かしていた少女――ミウラ・リナルディに声を掛ける。名前を呼ばれたミウラは元気良く返事をすると、すぐに意識をこちらに向けた。同時に僕に気が付いたようで、急いでこっちに駆けて来る。

「キリヤさん、お久しぶりです!」
「うん、ミウラ久しぶり……何だか今日は一段と気合が入ってるみたいだね」
「それはお前が稽古相手だからだろう。お前にシグナムの代理を頼んだと言ってからずっとこの調子だ」
「し、師匠、そういうことは言わないでくださいよ!?」

 ミウラは顔を真っ赤に染めながら激しくうろたえる。
 僕の記憶が正しければミウラは今12歳だったはずだ。僕よりも4年ほど遅く生まれていて、インターミドル・チャンピオンズシップにも今年から参加するらしい。
 けどザフィーラさん達に鍛えられてることもあってかなりの実力を持っている……ただ彼女は気が弱くておっちょこちょいなところがあり、また極度の上がり症なのだ。
 僕とは何度も顔を合わせてるミウラも今みたいにからかわれるというか、恥ずかしくなるようなことを言われなければ大丈夫だけど……予選の時は大丈夫かな。
 ミウラとは大会中はライバルという関係になってしまうけど、彼女が毎日のように一生懸命自分を鍛えているのは知っている。そのため、できれば勝ってほしいと思うのは当然だろう。
 ただ大会では運悪く勝負することになることもあるのが現実だ。
 もしそうなった場合、僕は悔いが残らないように全力で戦うだろう。そうしなければミウラにも悪いし、勝っても負けても後悔をしてしまうだろうから。

「あああのキリヤさん、変な誤解とかしないでくださいね。べ、別にボクはキリヤさんだからこういう風に慌ててるわけじ
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