第十四話。魔女のアドバイス
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のだし。ハーフロアになっちゃった子も、無意識のうちに使えるようになるものなんだよね」
「ふむ……」
キリカの言葉に俺は思考を巡らせる。
ロアなら当たり前に出来て、ハーフロアでも無意識に出来る方法。
抽象的でどうにも要領が得ない判りにくい説明だが。
その方法には心当たりがある。
「それってキリカと戦った時にキリカが言っていたやり方か? ええっと、イメージをして『作家さんみたいに物語を描く』……そんな感じだったよな?」
「うん。あの時はまだ君を食べようと思ってたし。まさか君が自力でハーフロアになるなんて思っていなかったから……だから私は教えたんだけど」
「君を絶望させてから食べる為にね」と如何にも魔女らしい邪悪な笑みを浮かべるキリカ。
その笑みを見た俺はホッとする。
あの時。『不可能を可能にする男』の能力に目覚めてよかった、と心から思う。
「あの時もちょっこと言ったと思うんだけど……あのね、モンジ君の物語は何か、って話なの」
「……俺の物語?」
「そ。例えばモンジ君が『主人公』を描くとしたら。『メリーさんの人形』というタイトルだったら、どんなお話にする?
『魔女喰いの魔女』は? 『神隠し』は?」
俺が『主人公』を描くとしたら。
「俺自身が『主人公』だったらじゃないんだな?」
「うん。モンジ君が描くの。作家さんみたいにね」
作家か。偏差値が低い武偵高でも成績が良くなかった俺の国語力で物語を描かないといけないのはいささかというか……かなりハードルが高いのだが。
……でも、何故だろう。
キリカのアドバイスが、ストンと心の中に落ち着いた。
「それと……これはもしかしたら……だけど。君が『百物語』の力で戦えないのはそのDフォンの真の持ち主じゃないからかもしれない。
あくまで推測だけど、君に与えられたDフォンは君専用の『不可能を可能にする男』のDフォンだけで。
『百物語』の主人公に選ばれた本当のモンジ君にしか、『百物語』専用のDフォンは使えないのかもしれない。
もしそうだったら……君は『不可能を可能にする男』の能力だけで他の『ロア』や『主人公』を倒さないといけなくなる」
まあ、普通は主人公でも一つの物語しか持たないはずなんだけどねー、とキリカは告げた。
「特別扱いされてるんだな……俺は」
『はい。これはお兄さんの『Dフォン』だよ』
そう言って、Dフォンを手渡したヤシロちゃんを思い浮かべる。
『そう。運命を導く為の。そして運命から身を守る為のお兄さんだけの端末。だから……持っておいた方がいいよ』
ヤシロちゃんの言葉通りに俺はDフォンを手に入れた時から運命に導かれて。
そして、運命から身を守っ
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