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101番目の舶ィ語
第十四話。魔女のアドバイス
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目の前の少女。キリカは『魔女』のロアだ。
魔女とのキスは様々な憶測を呼ぶ。
曰く。
魔女とキスしたらどうなるか分からない。
魔女にキスされると、魔女の眷属になる。
眷属となった者には魔女の魔力が与えられる。
などなど……。
そういった逸話を多く持つ『魔女』ならではの治療法。

「身体的接触。そして……精神的感応。それが私たち『魔女』の回復手段だから、ね!
だから、私と『契約』しているモンジ君にもそれは当てはまるんだよ。
だけどそれは本当なら大変なこと。傷を癒すにも『代償』とかがいるんだけど……何故かな。君といると私の力が増大して治療も簡単に出来たよ。君からは何かロアの力を増幅させるパワーとか、エナジーとかが出てるのかもね?」

「主人公補正って奴かな」とキリカはクスクス笑いながら告げる。

主人公補正はともかく。キリカの言葉を要約すると。
つまり。魔女と『契約』しているから体を接触させれば接触させるだけ回復が早くなる。
そういう『繋がり』が俺とキリカにはある、というわけか。
キリカは俺が離した胸に手を当てて笑うと。

「でも……ぷっ、あはは! モンジ君ってば、ほんっとちょろいよね!」

笑いながらそんなことを告げた。
ちょろいという自覚ならある。

「仕方ないだろ! キリカみたいな美少女に誘惑されたら仕方ないんだ」

ヒステリアモードのせい、というのもあるがキリカみたいな美少女に誘惑されて断る男なんているのだろうか?
普段の俺ならば断っているが……
ヒステリアモードの俺には無理だ!

「んもう、お風呂だって見たくせに」

「実は詳しく覚えていないんだよ、あの時のこと」

背後から一之江の声が聞こえたと思ったら。
突然真っ暗闇になって。
背中をグサリッ! だったからな。

「あれれ、そうなんだ?」

「ああ。一之江にザックリやられて記憶が飛んだんだ」

あの時は目にシャンプーをかけられた痛みと背中を刃物で刺された痛みでじっくり見る余裕なんてなかったからな。

「へええ。私はモンジ君になら見られてもよかったのにね」

そんなキリカの言葉にドキバクするが。一之江の名前を口に出すと、さっきの光景______一之江が俺を庇って倒された場面______が思い浮かんでしまい、そのせいか冷静さを取り戻す。

「で、だな、キリカ」

「うん、そうだね、おでことはいえキスしてくれたし。胸まで拭いてくれたし……」

キリカはふう、と一息吐くと。

「私が教えられるのは、多分きっかけの考え方だけだと思う」

「きっかけの考え方?」

「そ。こういう方向で考えていけば、きっかけを掴めるよ、っていう方法。なんでかっていうと、それって私たちロアなら当たり前に使えるも
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