暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第十三話。魔女の誘惑
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
方法を教えてもいいかもしれないな、って思うけど……」

キリカの目は熱さのせいか、潤んでいた。
そんな熱い視線で見つめられると、ドキドキしてしまう。

「……キスしてくれたら……教えてあげるって言ったら……どうする?」

キリカがそう囁いた瞬間。
もの凄い勢いで血流が速くなる。

「見えないから。もっとモンジ君を感じたいの」

「それが君が望むことなら、喜んで」

「うん、キスされたら……早く良くなるかもしれないから」

俺はキリカの体を強く抱き締めた。
至近距離でキリカの顔を見つめると。
キリカの瞳はじっ、と俺を捉えていた。
口は本当にすぐそこにある。俺少し姿勢を変えるだけで……出来てしまう。
その唇からちらりと見える、赤い舌が妙に艶かしく感じる。
あのふっくらとした唇と唇を重ねて、あの舌に……。
キリカの全てが欲しい。
そんな情欲が膨らむ。

「……初めてだから……優しくね?」

キリカがして欲しいと言ってきた。
今の俺はヒステリアモード。
それも女を奪うベルセと、自分の女としてキリカを見てしまうレガルメンテの状態だ。
普段のヒステリアモードより悪い意味での積極的な状態だ。
それにキリカみたいな美少女からお願いされたら、断るなんてそんなことはキリカの男として出来ない。
覚悟を決めろ、遠山金次!
据え膳食わぬばなんたら……とも言うじゃないか!
というか、今すぐ俺と変われー! リア充爆破しろー!
そんな俺の中のもう一人の俺。一文字疾風の声が聞こえたような気がして。
俺はキリカを元気にする為ならと、目を閉じて、顔を近づけ。





……本当にいいのか?









……キリカの本当の気持ちなのか?














……『彼女』を傷つけてもいいのか?


何故だか、俺の脳内に。
悲しそうな顔をしたアリアと。




よく知る少女の姿が鮮明に映った。
常に俺の背後を守ってくれる存在で。
無表情で毒舌だが、本当は誰よりも優しく、強い少女。
そんな『彼女』の悲しそうな顔を思い浮かべてしまい……。




















『女性を悲しませて……いいわけあるかあああぁぁぁ??』







ハッと、我に返った俺は。

「キリカ、もしキリカとキスをするなら……俺は君とちゃんとした恋人関係になってからしたい」

ギリギリの状態で理性を保って。
そして、キリカのそのおでこにキスをした。

「わっ」

「だから、ごめんよ……」

「モンジ君ってばっ!」

「ん?」

いきなり元気になったキリカの声に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ