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101番目の舶ィ語
第十三話。魔女の誘惑
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けなかった。
まただ。さっきもそうだったが急に体が動けなくなる。
これは……もしかして?
と、そんな俺の肩に頭を載せていたキリカはゆっくり離れると。
動けない俺のおでこにキリカは自身の右手で触れた。
まるで頭をそっと撫でるかのように。
その瞬間。
リィィィィィィンと不思議な音が鳴り響き。
俺は頭の中から何かを抜き取られるかのような不思議な体験をした。

「……やっぱりね」

キリカは呟くと。ゆっくりと俺の頭から手を離した。
キリカが離れた途端、どっと疲れが出てきた。

(なんだ、今……の?)

昔これと似たような場面見たなー、アニメで。
龍が出る球を探すアニメで、とある惑星の最長老様に頭を触られたら、坊主頭の青年の戦闘力が大幅にUPするとかってやつ。

「どう? 少しは落ち着いたかな?」

「あ、すまん。少し興奮し過ぎたな……で、今何をしたんだ?」

「ちょっと見させて貰ったよ。君と彼の間で何があったのかを。
君がどういった人生を歩んできたのかを」

「……それはおっかないな。魔女ってみんなそんなことができるのか?」

「私は特別な魔女だからね。『ロア喰い』だから人の記憶とか、ロアとかの物語に干渉できるんだよ」

そういえばキリカは人やロアの記憶とかに干渉できるんだよな。すっかり忘れたたけどキリカは……トンデモない能力持ってるな。

「あー、なるほどなー。見られちまったのか……悪いな今まで黙っていて。気持ち悪いだろ? 本当の一文字じゃないのに、彼奴のフリをしてた奴が側にいて」

「ううん。さっきも言ったでしょ? 君は何があっても君のままでいてくれる。だから、そんなこと言わないで! 今の君でも……ううん、今の君だからこそ、私たちは救われたんだよ?
驚いたのは確かだけどね。
まさか彼と君との間でそんな因縁があったなんて思わなかったから……でも、そっか。
ようやく解ったよ。教授(プロフェシオン)が君なら大丈夫だって言った意味が」

「うん? シャーロックの奴、キリカに何か言ったのか?」

「ふふっ、それは秘密だよ? 女の子と紳士との二人だけの秘密?。
あ、でも安心して? わたしはモンジ君一筋だから?」

秘密か。秘密なら仕方ない……かな。

「話を戻すけど、私は君に変わってほしくない。今以上に強い力を手に入れてしまったら、君が君じゃなくなってしまうかもしれないから。それは嫌だな、って思う」

キリカは笑みを浮かべててそう告げてきたが。
だが、やはり。熱があるせいか、キリカにはいつもの余裕がない気がする。
だけど……だからこそ、本心からそう思っている、という想いが伝わってくる。

「本当は私や瑞江ちゃんが、君が後悔しないくらい上手くやれていれば良かっ
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