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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#26 襲撃のリグレット・アリエッタ
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今のルークじゃ!!」
距離が離れているが、直ぐにルークの場所へとアルは移動するが。
「死ねェェ!!」
すぐさま、兵が数人 取り囲むように遅いかかってきたのだ。敵が多い故に、分断されるのは仕方がない事だった。
「クソっ! こいつら!! 」
アルは、悪態をつきつつも、詠唱に入った。譜術の方が、単純な攻撃、通常攻撃よりも遥かに効果があるからだ。詠唱には時間がかかるのだが、何度も戦いを経験してきた故に、アルは、その
コツ
(
・・
)
を掴んできた。
そして、何よりも 譜術はそれだけじゃない、という事も理解したのだ。
「気をつけろ! こいつの譜術は強力だ! 詠唱の隙を与えるな!!」
敵兵の1人が、そう叫ぶ。勿論 アルの譜術を何度も目の当たりにし、仲間達が吹き飛ばされているシーンも見ているからこそ、全員が理解していた。
「オラアアア!!」
「死ねえええええ!!」
だからこそ、詠唱をさせない様に、間髪いれず、襲い掛かってくる。
それを見て、アルはニヤリと笑った。
「……オレの詠唱を防ぐだけで、譜術を止めれると思ったら大間違いだ!」
そう叫ぶと、同時に、今度は指先で譜術の陣形を描いた。何もない空中に 光のラインが生まれ、形を成していく。
「何だ!? これは!!」
突然、目の前に現れた光に驚く兵士。だが、もう既に遅かった。
「熱いの一発いくぞ!? 覚悟しろ! 獄炎 イグニート・バースト!」
アルが、そう言うと同時にだ。光のライン。図形から 真紅の炎が迸り、敵兵士たちを包み込んだ。
「ぐわあああ!!」
「がはあああ!!」
その炎は柱となり、更にその高熱によって、上昇気流を生み出す。炎の渦だ。
その凄まじい火災旋風は、何人かを上へと吹き飛ばした。
「なっ!!」
リグレットも流石に驚いていた。
譜術士
(
フォニマー
)
に対しての戦術、セオリーをついた戦いを選択した、部下は 間違ってなかった。寧ろ 100点満点の戦術だ。詠唱させない様に攻撃をする事がだ。
だが、あの男は 詠唱を中断し、別の手段で攻撃をした。……見た事のない攻撃手段だった。その上 通常の譜術よりも遥かに早いのだ。
「また驚きましたね 速攻で譜術を。その上、これ程の威力、ですか」
ジェイドも、勿論驚いていたが、笑っていた。
それは嬉しい誤算だったからだ。譜術を使用する際は詠唱が必要、そしてそれは強力な術ほどに時間がかかるもの、それが常識だった。だが、その常識を覆した。
あの町で見た凄まじい威力の譜術を操ったアルだから、と妙に納得出来る事だが。
「さて、形勢はこちらに有り、ですね。では 早いとこ降伏をしてください」
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