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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第204話 BoB頂上決戦
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だの卑怯者、だ」
「……………」

 その死銃の言葉を訊き、一瞬キリトは言葉を失いかけた。確かに、それはずっと考えていた事だ。隣で苦しむ親友の事を想っていたのだが、それでもその真の意味を理解など出来ておらず、自分自身が同じ境遇になった時に、初めて苦しみが判った。
 そこから、逃げてしまいたい衝動だって、ずっと持ち合わせていたんだから。

 ぐにゃり、と歪みかけた視界だったが、それを一喝してくれる声が同時にキリトの耳に届く。




――………お前達がいてくれたから、オレがいる。……オレも変わらない。オレも同じなんだ。



 声が、聞こえた。……だが、こんな時でさえ、頼ってしまうのは何処となく情けなくもキリトは感じる。そう、もう心配を賭ける訳にはいかないんだ。親友にも、愛する人にも。

「お前らと、アイツを一緒にするな」

 その部分だけは、キリトは強調する。数多の命を奪ってきたこのラフコフの連中とリュウキを一緒にするのだけは有り得ないからだ。

「……だが 依存の事はそうかも、な。オレは理解も出来てないのに、支えになってやってる、って勘違いをしていた面もあったさ。だが、お前も、今回のBoB戦においては、殺人者なんかじゃない。もう、バレてるみたいだぜ? お前らが《鬼》と畏れているアイツに。……リュウキに」
「………」

 今度は死銃が口を閉ざした。
 キリトは尚も続ける。

「《ゼクシード》《薄塩たらこ》……この2人に、実際に(・・・)手を出したのは、判らない。だが、言えるのは 全ての殺人は その妙な黒い銃の力でも、お前なんかの力でもないと言う事だ」
「ほう? なら、なんだという? くく、相変わらず、鬼頼り。所詮は 鬼のモノ。鬼の手柄かもしれない、が。気になるな。言ってみろ」
「ご生憎、だったな。オレも出来れば自分で解き明かしたかったんだが……、アイツの頭の回転は並じゃないんだ。そのへんは考慮してくれ。それに、比べられる身にもなってくれよ」

 キリトは苦笑いをしながらそう言う。
 だが、その表情の奥にも動揺の類は決して見せない。決して、臆さずに、顔に出さずに続ける。余裕の表情を見せ続ける。ふてぶてしく笑う。

 ラフコフの戦術の1つでもある、心理的隙間をついてくると言う事はよく知っているからだ。

 連中は人を殺した。あの世界で数え切れない程の人を殺した。……故に、その歪な精神の強さは 類を見ない。誰しもが持つ、死の恐怖すら、この男たちには無いのだから。
 だからこそ、精神に訴えかける揺さぶりは、あの世界の剣にも負けない程に凶悪な威力を秘めているのだから。少しでも弱みを見せたら、その瞬間に殺される、と思える程だ。

「お前らは、その透明マントをつかって、総督府の端末で、BoB出
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