暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第204話 BoB頂上決戦
[4/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
か。なら、そんなオモチャは、さぞかし、不本意、だろう」

 キリトの右手の中で低く唸る光剣《カゲミツ》は、オモチャ呼ばわりされたことが不満だったように、ぱちぱちっと細いスパークを散らした。肩をすくめ、この世界での愛剣の声を代弁する。

「そう腐ったもんじゃないさ。オレだって、昔の映画だってみるし。こう言うのにも一度は使ってみたいと思ってたしな。それに……」

 ぶんぶん、っと振動音を響かせながら、低く下げていた剣の鋒を中段に据えた。

「剣は剣だ。お前を斬り、HPゲージを吹っ飛ばせれば、それで十分だ」
「く、く、く、威勢が、いいな。できるのか、お前に」

 フードの奥で、赤い眼光が不規則に瞬いている。同じ《赤》と形容するリュウキの目とは本当に違う。言うなら、リュウキの目よりも何倍にも、《気味の悪さ》のゲージを上げれば、ああ言うふうになるのだろう。

「《黒の剣士》、お前は、現実世界の、腐った空気を、吸い過ぎた。さっきの、なまくらな《ヴォーパル・ストライク》を、昔のお前がみたら、失望するぞ」
「……かもな。でもそれはお前だって同じだ。それとも、お前だけは、お前達だけはまだ《ラフコフ》のメンバーのつもりでいるのか?」
「……ほう、成る程。そこまで、は思い出せたか。……くく、くくくくく……」

 切れ切れだった声が笑う時に繋がる。何かおかしい、その何かに触れた様に、死銃は笑い続ける。

「なら、遠慮は無用、だな。昔から、知っている事を、……真実を、言わせて、もらう。お前が、あの世界でも、強い。厄介、と言わしめた、のは、《鬼》の存在、があったからだ。あの鬼、は。まさに、オレ達と同じ(・・)、だった。あの時、狂いに、狂い、オレ達の、仲間を、5人殺した時。……オレ達は、皆等しく、ヤツの背後に、鬼を、見た。錯覚など、脳内の異常が、見せる程度のモノ、殆ど、オカルトの様な、もの。だが あの場の、全員が、等しく見たんだ。……お前は、鬼に、守られてるに、過ぎない」
「……………」

 キリトは、死銃の言葉を訊いて 表情を顰めた。
 確かに、その自覚が無かったか? と言われれば嘘になる。あの男、リュウキが隣にいるだけで、一緒に戦ってくれているだけで、安心した。……アイツの情報の1つ1つが、まさに生命線だった。……アイツの眼は 全てを丸裸にし、安心して 皆は攻める事が出来たんだから。

「確かに、厄介な、反応速度を、持っている。が、今の《ヴォーパル・ストライク》で、更に、確信した。お前は、あの時よりも、遥かに、劣化している。くく、そして オレ達、鬼を含めた、オレ達と、お前の、違いも 判る、だろう。同じ殺人者(レッド)、でも。お前は、違う。恐怖に駆られ、ただ生き残る為だけに、殺した。その意味を、考えず、何もかもを、忘れようとした、た
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ