暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第70話 ジオ戦前の休息
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っこりと笑うミリ。

 切欠を作ってくれた事を想えば、有難いとも思えるのだが、どうしても 完全に納得する事が出来ない。……楽しまれている感、万歳だから。

「んで、志津香はどうしたんだ?」
「………………」

 志津香は、ただただ無言の圧力。

 その手から放つ鼓童、身体漲る力が伝わる。迷いが無くなりつつあるのが判る。……志津香の性格、これまでの事を考えれば、拍手喝采だ。

「……前々回は兎も角、今回のは約束、だから。……ちゃんと言う。……正直、嵌められたって、思う所はあるんだけど、約束は約束。反故にするのは 私の主義に反するわ」
「ふふ、良い返事だぜ? 志津香」

 ミリは、にやっと笑った。
 そして、トドメの一言を伝える。

「それによ。オレは ただ100%、楽しんでる訳じゃないんだぜ? こうでもしねぇと なーんか お前ら尻込みし過ぎてる感じがするからな。オレ的には 全員に悔い無く幸せになって貰いたいんだって、割と本気で思ってる。命を賭けて、戦った間柄だからな、オレらは。皆で幸せになるのもいいじゃねぇか。一般的だって。一夫多妻なんて まるで 珍しくもない」
「それは 一般的じゃないわよ! 主に王族の話でしょ!!」
「あ、あぅ……、わ、私もそれは……」
「ははっ、歴史上の英雄なんて、女を何人も娶ってるんだし。妾だって 多いぜ?」
「知らないわよっ!」
「ぅ〜……」

 真剣な表情でそう伝えるミリ。
 勿論、それが嘘じゃない事も、2人は よく判る。……楽しむ性格が無ければ完璧なのだけど。



 そして、暫くした後 とりあえず段取りをある程度考えた2人。

「ぁぅ……、で、でも いよいよとなると……」
「………」

 かなみは、頭の中で ぐるぐる回っている途中だろう。志津香は、まるで魔力を溜める、と言わんばかりに、精神統一をしている。

 其々の想い。まだ、完全に伝えきるのには時間を要するだろう。

 もう、言うと決めた以上は これ以上は野暮だというものだろう。ミリも まるで世話のやける別の妹達を持ったもんだ。と言わんばかりの顔をしていた。
 もう少し、もう少し 力を溜める様に 覚悟を決める時間があれば、完璧に、と思えるのだが世の中そうそう上手くはいかないと言うものだ。

「お、丁度良かった」

 ……その時だった。丁度3人の後ろから、声を掛けて来た者がいたのだ。
 2人は、志津香とかなみは、背筋に電流が走る。
『まさか、このタイミングで!?』 と2人が同時に思ってしまったのも無理はないだろう。
 さしのミリも 『あっちゃぁ……』と言わんばかりに、苦笑いをしつつ 頭を掻いていた。でも笑っているのは、完全に楽しんでいるからだろう。

「お前達もしっかりと休んでおいて
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