第五十話 忍び寄る影
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ホイミンちゃんが慌てながらも、私にベホイミを掛けてくれた。足中に走っていた鋭い痛みが一瞬にして消える。
「ありがとう、ホイミンちゃん」
ホイミンちゃんに感謝しながら、私は床を見る。
そこにはたくさんの針が飛び出していて、そのうちの一本には私の血がこびりついていた。
「どうやら罠が仕掛けられているようですな。ミレイ殿、ここは遠回りを」
「うん」
針山から私達は遠ざかって、別の廊下に入り先を進む。
道中の戦闘に加えて、罠があるかどうか調べる為にインパスをいちいち使わなくちゃいけないからたくさん魔力を使う必要はあるけど、途中で体力と魔力を全回復してくれる魔方陣を見つけたのは大きかった。
でも、アベル達の方にも回復の魔方陣があるとは限らないから早くアベル達と合流しなきゃと強く思った。
魔物との連戦を潜り抜けて、なんとかアベル達と合流してその間も必死にデモンズタワーを登って行っていたけど、最上階にたどり着いた時に私達の目の前に2匹の魔物が現れた。
1匹は毒々しい色をした翼を持つ巨大なキメラ、もう1匹は苔の色の体毛をしている巨大なオークだった。
「おい、見ろよ。あの女を取り戻しに来た人間達だぜ」
キメラが嗄れた声でオークに言うと、オークは頷きながらこう言った。
「あの女は旨そうだったがあいつはジャミ様の物だからな。ここにいる奴らで存分に腹を満たすとするか」
「ふざけるな!僕たちはビアンカを取り戻すためにここまで来たのに、お前らみたいな奴らに喰い殺されてたまるか」
アベルは叫びながら、敵に向かって勢いよく飛ぶとメタルキングの剣をオークに向かって振り下ろした。
オークはその両手に持った槍でアベルの一撃を受け止めると、そのままアベルを吹き飛ばす。
落ちてくるアベルを咄嗟にゲレゲレが受け止めた。
「ありがとう、ゲレゲレ」
「ガウ」
ゲレゲレに礼を言いながらアベルは体勢を立て直して、再びオークに立ち向かっていく。
アベルが剣を振り下ろすタイミングに合わせてバイキルトを唱え、アベルに続いてオークに向かっていくゲレゲレ、ピエール、ジョーにもバイキルトを掛ける。
最初こそオークは槍でアベル達の攻撃に対応していたけど、その内対処しきれなくなって体に傷が作られていくのを見ると舌打ちして叫んだ。
「キメーラ!こいつらは厄介だから一旦お前に任せた!」
「随分情けねぇな。まぁ別に引き受けてもいいがその分俺に寄越せよ」
「いいから、早くしろ!」
オークがその体からは信じられない程の身軽さでその場を跳んで離れると、キメラがオークと入れ替わる形で躍り出た。
「じゃあデカイのを最初からやるか。喰らえ、ベギラゴン!」
キメラが唱えた瞬間、黄金の炎が凄
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