暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
歯車を止めて
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ぞれの人生があって、理由があって、未来がある。
 不当に手折られなければ良いなあ〜って。
 ただそれだけの話なんだけどねえ。



 …………なんだろう?
 誰かの強い意思を感じる。誰かが介入してる。
 『 』が作ろうとしている仕組みを、外側から変えようとしている。

 誰?
 判らない。何の気配もしない。
 なのに、きしきしと(きし)む音がする。
 気のせいかと思っていた微かな異音が、少しずつ大きな音になっていく。

 ……誰?
 判らない。何も見えない。
 だけど、確かに変化した。
 変わった。……変えられる。
 『 』が敷いた道は、まだ変えられる。

 なら……私はまだ、この世界を壊さなくて済むのね。
 数多(あまた)の生命が上げる悲鳴を聴かなくて済むのね。

「知るもんか。そんなもの」

 ……泣かないで、私。彼はまだ……

「やかましい! 私に関わるな! お前なんか消えちまえ!! お前のせいでコイツは……っ!」

 ……ごめんなさい……。

「ちくしょうっ! バカばっかりだ! どこもかしこもバカしかいない! なんでだよ……どうして! クロスツェルが死ななきゃいけないんだよ!! なんの為に、私が……ちくしょう!!」

 ……ごめんなさい……。

「もう、本当に消えてくれよ! お前が……お前の存在があるから『 』が世界に干渉できるんだろう!? ならもう、消滅してくれよ! 頼むから! この上、アイツにまで何かあったら……っ」

 アイツ……
 ああ……黒の悪魔ベゼドラ。
 かつて私が封じた、私を憎む者。
 私を殺してくれるかも知れなかった、稀なる力を持つ者の一人。

「! ベゼドラに手を出すな! 関わるな!!」

 ……解っているわ。
 彼の力ではもう、私を殺せない。
 また『 』と繋がってしまったから。
 だから、私から遠ざけたのでしょう?

「嫌なんだよ。誰かが死ぬのも、傷付くのも! ベゼドラを傷付けるな! 絶対に殺すな!!」

 ……私には『 』を止められない。
 『 』を止められるだけの力を持つ存在は、遠い昔に消滅しているから。
 『 』の言動と存在が、その事実を証明しているから。
 『 』と対等以上になれる存在は、きっともう、どの世界にも現れない。
 私にもそんな力は無い。
 だから『 』が彼に接触するのを、私では止められないわ。

「役立たず!」

 ……ごめんなさい……。

「……ベゼドラに閉じ込められた地下室は暑くも寒くもなかった。なのに、暖かい筈のこの空間は、陽光に満ちてるこの場所は、物凄く、寒い。寒くて冷たくて震えが止まらない。もう嫌だ。もう、嫌。こんな場所は嫌いだ! 誰か私を殺して。『 』を止めて。止め
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