暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
似た者同士〜
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、まあ今日はここに泊まろうかな」

「そうですか!」

シリカが胸の前で両手をパン、と合わせる。・・・その仕草が明命の仕草と似ていて。思わず表情が固まる。・・・本当にこの子は俺の懐かしい思い出を呼び起こしてくれる。

「ここのチーズケーキがけっこういけるんですよ」

「へぇ・・・いいね、チーズケーキ」

その時、四、五人の集団が道具屋から出てきて・・・その一人が振り返った時、シリカが息を呑むのが伝わった。

「あら、シリカじゃない」

真っ赤な髪をカールさせた女が話しかけると・・・明らかにシリカは嫌悪感を露にしていた。

「・・・どうも」

「へぇーぇ、森から脱出できたんだ。よかったわね」

そう言って女は悪役のような笑みを浮かべる。

「でも、今更帰ってきても遅いわよ。ついさっきアイテムの分配は終わっちゃったわ」

「要らないって言った筈です!・・・急ぎますから」

アイテムの分配・・・つまりシリカはこの女を含むさっきの団体はパーティーを組んでいた。様子を見るにシリカは女と揉め、シリカが飛び出した・・・といったとこか。


「あら?あのトカゲ、どうしちゃったの?」

・・・笑みを見るにこの女はわざとシリカに聞きやがった。通常使い魔はストレージに格納も、誰かに預けることも出来ない。それは殆どのプレイヤーが知っていた。

「あらら、もしかしてぇ・・・?」

「死にました・・・でも!」

シリカが女を睨み付ける。

「ピナは、絶対に生き返らせます!」

女の顔が、獲物を見つけた獣になった。

「へぇ、てことは思い出の丘に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略出きるの?」


「できるね」

俺はシリカを庇うように前に出る。

「そんなに強いモンスターもいないしな」

女は俺を値踏みするように見る。

「あんたもその子にたらしこまれた口?見たトコそんなに強そうじゃないけど」

・・・シリカが再び泣きそうになるのが分かった。・・・少々釣り針を垂らしてみるか。こういうのは得意じゃないが・・・

「まあ、確かにアンタみたいなオバサンよりはシリカみたいな若くて可愛い子と組んだ方がいいよなぁ」


「なっ・・・!」

「コウハ、さん・・・!?」

「ああそうか。ヒガミって奴だよね。いやー、年取ると色々劣るからやだね」

「な・・・なんですって・・・!」

女がわなわなと体を震わせる。・・・こういうのはサキの方が得意なのだが・・・効果はあるみたいだ。

「じゃあ、可愛い子と楽しく行くとするかなー・・・シリカ、行こうか」

「は、はい・・・」

シリカを連れて宿屋に入る。・・・背後から“このガキがぁ・・・”という恐ろしい声が聞こ
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