閃光
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う続けようとしたその時、遠くの空から地面が鳴動する程の威圧感が発せられ……次の瞬間、耳をつんざく轟音を立てて戦艦の大きさ以上に巨大な破壊光線が教会の真上を貫いていった。俺達は見ていないが、ファーヴニルの破壊光線は次元航行艦を何隻も沈めたらしい。その破壊光線が一発限りではなく何度も放てるとわかった事で聖王教会の一般騎士が怖気づく中、冷静に言い渡すようにマキナは言う。
『別に使わないならそれで構わないよ。ただ今回は相手が相手だから、実力が足りていないのに危険な近接戦を挑むよりかは、コレを使った方がマシだと思う。あの破壊光線に飲まれる覚悟が無いのなら、変な意地は張らない方が良い』
「実力が足りていないとは、聞き捨てなりませんね。……ですが、実際その通りかもしれません……。あの攻撃は流石の私でも本能的な恐怖を抱くほどでしたから……」
「とにかく人間パチン虎の道具一式は渡しておく。あの光線が飛んできたという事は、即ち前線部隊が壊滅している可能性が高い。そうなるとファーヴニルもこっちに向かってきているだろうから、俺達もヤツの迎えに行かせてもらう。もし通信が使えるなら、管理局には邪魔をするなとだけ伝えておいてくれ」
「ごめんなさい。ファーヴニルがこの世界へ訪れてから通信や念話は使い物にならなくなっているの。だから先に口添えする事は出来そうにないわ」
「そうか、ならいい。俺が適当に何とかしよう」
「今の内に言っておきますが、敵対行為だけは取らないで下さいね。後で処理が大変になりますから」
「フッ……今滅びそうなのに後の事を心配している場合か? ま、後自体無いがな」
『……』
真実を知るマキナ達が黙る中、カリム達は『後自体無い』という俺の言葉に首を傾げていた。しかし説明している時間は無いので放っておき、聖王教会を後にした俺達はラプラスに再び乗り込んで、ここミッドチルダ北部から首都クラナガンへと航路を進めた。コクピットの操縦席に座った俺に、乗り物酔いが少し回復したシャロンが尋ねてくる。
「これで会うのが最後だって……伝えなくて良かったの?」
「必要が無いからな。俺が後世に伝えたい事はもう何一つ残っていない。後はラタトスクを浄化し、ファーヴニルを封印すれば……俺が生きてやらねばならない役目は全て終わる」
「私はサバタさんに生きていてほしいけど……もう、限界なんだよね……」
「ああ……俺の生命力はもうほとんど残っていない。何もしなくてもせいぜい後一日か二日持つかどうか、という瀬戸際だ。今は月下美人の力で発作を抑えているが、全ての力を尽くさねばならないこの戦いが終わった時、間違いなく生命力も完全に底をつく。それが俺の最期となるだろう」
「…………」
「そう落ち込むな。俺はこちら側の世界に来ておま
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