閃光
[12/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ないと謙遜しているシャロンだが、俺やマテ娘は彼女には十分実力があると常々思っている。
そうそう、歌と言えば……さっきカリム達が重要な事を言っていたな。確か名前は……。
「シャロン、“月詠幻歌”という歌を知っているか?」
「月詠幻歌? う〜ん……ちょっとわからない。私が知ってるのは“勝利の歌”とか“鎮魂歌”、地球で覚えたいくつかの楽曲ぐらいだもの」
「そうか。まぁ、そんな都合良くは行かないか」
「?」
「こっちの話だ、気にするな」
いくら歌うのが趣味だからって、相当古い歌である月詠幻歌まで知っている事を期待するのは流石に押し付けだ。一般的に例えれば、J-POPを聞いている人間に演歌を知っているか尋ねているようなものだ。世の中は広いからこの例えでも探せば該当する人もいるかもしれないが、それをシャロンにまで適用するのはどこか違うと思う。
などと考えていると準備が終わったのか、外付け格納庫の扉が開き始める。そして中から……地球で最強クラスの兵器が出てきた。大量にミサイルを搭載している腕を生やし、ジャンプし易そうに屈折している脚部、頭部で青く光るツインアイとその下のくちばしのような装甲に隠された水圧カッター、サソリを思わせる長い尻尾、そして元々『MARINES』と書かれていたロゴは『MATERIAL』と別の文字に書き換えられている。格納庫から外に着地して、甲高い咆哮を上げたこの機体こそ、ユーリが持ってきたアレの正体である。
メタルギアRAY試作改修型。
リキッドとアウターヘブン社の技術者達、そして搭乗者のユーリが協同で魔改造した機体で、元は海兵隊から奪ったヤツらしい。より性能の良い無人型が量産できた事で必要なくなった試作型を現代の技術で補修した後、ユーリのエグザミアの力が機構全体に行き渡るように特別な改造を施した結果、普通のRAYとは比べ物にならない化け物じみた性能を発揮できるようになったのだ。地球の技術だけでここまでやれたのは、色んな意味で流石としか言い様が無い。
……ああ、無人型を有人型に改修してから改造しなかった理由についてだが、以前の元大統領の刀の時のようにリサイクル精神というか、余ったのをもらっただけだ。一応量産できるとはいえ、RAYは一機作るだけでもコストは相当高い。だからリキッド達も資金集めなどをして稼いでいたのだ。故にウェアウルフ社に匿ってもらった上、ほとんどタダ同然の額で一機、しかも多くの改造をしてくれただけ十分ありがたい。それとこれが入っていた格納庫が外付けだったのは、大き過ぎてラプラスの格納庫には入らないからだ。
『お待たせしました〜。エグザミアの魔力浸透率も十分な水準になっていますよ〜!』
「よし、これで準備万端だ。さあ、行くぞ!」
想像を絶する大きさの質量兵器が現れた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ