第二章
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「全然」
「その通りですね」
「それでその巨人の伝統とか」
「気にしなくていいですね」
「巨人は巨人です」
「中日は中日ですね」
「中日のエースナンバーは二十です」
何といってもというのだ。
「他にも背番号はありますけれど」
「それでもですね」
「やっぱりエースナンバーはそれです」
二十番だというのだ。
「他はありません」
「そういうことですね」
「杉下さんの後は」
住職はここで焼酎を一杯飲んだ、そしてお店の人にもう一杯注文してからそのうえでまた川上に話した。
「権藤権藤雨権藤」
「権藤博さんですね」
「あの人でしたし」
「凄い投げた人ですよね」
「そのせいで現役生活は短かったですけれどね」
それでもというのだ。
「凄い人でした」
「エースに相応しい」
「そうした人でした」
「あの人も付けてたんですね」
「そうです、やっぱりです」
その権藤もというのだ。
「相応しい人でした」
「そうなんですね」
「そうです、そして」
「その権藤さんの後は」
「あの人でした」
ここで注文し焼酎が来たのでだ、住職は飲んでから言った。
「星野仙一さん」
「燃える男ですね」
「本当に燃えていましたから」
「特に巨人相手に」
「世界の敵に向かう」
まさに全人類共通の敵である巨人にだ、憎んでも有り余る邪悪の象徴に。
「そうした人でしたね」
「僕が知ってる星野さんは」
まだ三十代と思われる川上の記憶の彼はというと。
「監督ですね」
「ああ、そうでしたね」
「落合ゼネラルマネージャーと仲悪かったんですよね」
「ええ、現役時代の落合さんとは」
それこそとだ、住職も答える。
「犬猿の仲で」
「大変だったみたいですね」
「水と油ですから」
「お二人の相性は」
「そうでしたので」
それでというのだ。
「仕方なかったんですよ」
「その星野さんしか知らなかったです」
「現役時代はですね」
「お話は聞いてますが」
それでもとだ、川上は答えた。
「それ以外は」
「そうですよね」
「聞いているだけで」
杉下、権藤もそうだが星野もというのだ。
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