第四十一話
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あるのは言うまでも無く。
「それが本当だったとして、何でこんなところにいるんだ。竜の右目なら独眼竜にべったりくっ付いてるもんだろ?」
……その認識も間違ってないけど、どうなんだろう。
確かに小十郎ってば、政宗様のパーソナルスペースに恋人くらいの至近距離まで踏み込んでるし。
人からそう言われると何か複雑。
私も小十郎も別にそういう関係じゃないし、必然的にそうなっちゃっていると言おうか何と言うか……。
「独眼竜が手篭めにしようとして、出奔をした……という話を聞く。
奥州から出奔して甲斐へと流れた小夜という女性を巡って甲斐の若虎と独眼竜が戦ったという話もある。
まぁ、あくまで噂の域だ……事実関係は本人に聞くのが一番だが」
今度は孫市さんにまで見られて、私は困ってしまった。
「実際のところはどうなんだ?」
これはもう、言い逃れが出来そうにないなぁ……下手な嘘ついても孫市さんに見抜かれそうだし。
「……ちゃんと説明しても、簀巻きにして海に放り込んだりとか、首刎ねたりとか、手篭めにしたりとかしない?」
一応、そんな風に聞いてみれば、私の目の前でアニキの顔が赤くなる。
こんな純な反応はもう見慣れたもので、孫市さんも特に表情を変えたりはしない。
「ばっ……馬鹿言うんじゃねぇ!! お、おおお女相手にそんな非道な真似するか!!」
……それ、男なら全部やるってことだよね? 最後の手篭めは例外だって考えてもいい?
まぁ……アニキがそういうなら、信用してもいいかなぁ……。
とりあえず、素性の説明と奥州を出奔した理由と今までの流れを軽く要点を押さえて説明してやれば、
驚かれはしたものの最終的には随分とアニキに同情された目で見られてしまった。
「そうかぁ……アンタも随分苦労したんだなぁ。どうだい、竜の右目じゃなくて鬼の左目になるってのは」
「アニキ、そのポジションに私置いたら鶴姫ちゃんに誤解されるよ〜? 遊びで手を出そうとしてる、なんて勘繰られちゃう」
「なっ、何を言ってんだ!!」
瞬時に飛び退いて、アニキが顔を赤くする。アニキを動揺させるには、やっぱこのネタが一番か。
というか、孫市さんも何だかんだで笑ってるし、アニキが鶴姫ちゃん狙いってのは知ってるわけかぁ。
ってことは、やっぱりこの二人の間には何も無いってこと?
……それはそれで面白くないなぁ。どうせなら、昼ドラばりの展開とかあったら面白いとか思ったのに。
「元親、姫だがな。今三河にいるらしい。向かえば会えるのではないか?」
「うっ……何だよ、サヤカまで……。どうせ、三河は寄るつもりだったんだ。
べ、別に鶴の字に会いたいとかじゃねーぞ!!」
ツンデレかよ、アニキ
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