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転生特典をもらっても全て得になるとは限らない
機動戦士ガンダムSEED編
第22話
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々といった感じではあるものの、オレの指示の通りアークエンジェルがいる廃工場に向かっていった。


『…予想ではもう少し時間がかかると思っていたんだが、君の実力は僕の想定以上だったらしい』


 突然、通信が入りとても穏やかな雰囲気を持っているが、同時に戦士としての側面も感じさせる声がコックピット内に響く。
 
 ……これは、オープンチャンネルか。この声の主は目の前のラゴォに乗ってる……


「あんたが砂漠の虎か。─どうやら何か当てが外れたようだが、残念だったな」
『本当にね。あのMSは最重要目標だったから、できる事ならここで倒しておきたいところだったんだが…』


 やはり声の主はバルトフェルドだった。しかし、奴は口ではああ言っているが、ならば何故そのまま何もせずに放置したんだ?そこが引っ掛かる。


「だったら何故ストライクが救援に向かうのを阻止しなかった?あんた程の腕ならオレを含めた二機相手でも十分立ち回れたんじゃないのか?」


 オレのこの問いにバルトフェルドは一瞬笑いながら答え始めた。


『そうしたいところだったが、君のような手練れ相手ではとても無事に済みそうに思えなかったんだよ。何せ、あのクルーゼを退けたという位だからね、噂のジンのパイロット君』
「あの砂漠の虎にそう言われるとは光栄だな」


 ……まあ実際のところは勝てるかどうかわからないレベルではあるんだがな。


「まあ、これで二度目なんだ。前回もどうにかなったし今回も無事に切り抜けてやろうじゃないか」
『……二度目だって?君と戦うのはこれが初めての筈だが』


 オレの独り言を聞いていたようで、それを不振に思ったバルトフェルドは此方に話しかけてきた。
 そういえばあっちからしてみればこの戦闘が初対面になる訳か、と一人納得しながらオレは自身の言葉の真意をバルトフェルドへ話し始めた。


「覚えてないか?明けの砂漠の連中がタッシルを焼き払って撤収していたあんたらを襲った時、救援にきた戦闘機に乗ってたのがオレだよ。あんた、バクゥに乗ってただろう」
『……なるほど、あの戦闘機が。しかし、何故僕がバクゥに乗っていたと思う?』
「一機だけ他のとは明らかに動きが違うのがいて、そいつにこっちも中破させられたんでよく覚えていたし、明けの砂漠の連中からあんたがあの場にいたと聞いたんでな。
 それであんただと予想していたんだが、違うのか?」
『いや、正解だ。
 …そうなると、僕としても自分自身の雪辱戦という勝つ理由が増えた訳だ。益々やる気が出てきたよ』


 そう言う奴の声に先程よりも覇気が込められているのを実感して、操縦桿を握る手に力を籠める。

 奴は完全に臨戦態勢に入ったか……。──だったら、やる事は一つ
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