第四十話
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も良いような気がするけど……そんなんじゃ、惚れた女何時まで経っても口説き落とせないぞ?
「じゃあ、やっぱりアニキの本命は鶴姫ちゃんか」
「何だその本命ってのは」
「だから、アニキのコレにしたいわけでしょ?」
もう一度小指を立てて見せれば、アニキがまた顔を真っ赤にして私に向かって碇を振るってくる。
寸でのところでしゃがんでかわしたけど、アレまともに食らったら死んでたってば。
「お、おおおお俺にそんなつもりはねぇ!!」
そんなつもりはないって、本当にその気がないならそこまで動揺して言うか? 普通。
全く、素直じゃないわね。アニキったら。人間素直が一番よ?
「嘘でしょ〜? オルゴールまで贈っておいて、その気はないとかどんだけぇ〜? だよ。
どうせ不法投棄したからくりも、何か鶴姫ちゃんが好みそうな細工がしてあるんでしょ」
ニヤニヤ笑ってそんなことを言えば、アニキが赤い顔をしたまま言葉を詰まらせてる。
いやぁ〜、分かりやすい。何か、この人政宗様と似てるけど、こっちの方が可愛げがあっていいなぁ〜。
からかいがいも十分だし。つか、周りの野郎共もニヤニヤしながらアニキのこと見てるし、こりゃ周知の事実って奴だわね。
いや、暗黙の了解かな?
「お、オルゴールなんて何で知ってんだ。あんなの、説明しなきゃ誰も使い方なんざ分からねぇってのに……」
「まぁ……秘密。そうそう、あっちのイケメンモブ武将さんに使い方説明しておいたから、
今頃鶴姫ちゃんが正しい使い方してくれてると思うよ」
「いけめんもぶ?」
おおっと、ついつい言っちゃあいけない発言をしてしまってよ。私としたことが。
「どうせなら外見ももっと可愛らしくすれば良かったのに。
あんな無骨なデザインじゃなくて、女の子が好みそうな……そうすれば、ゴミだなんて言われなかったでしょ」
なんて突いてみるけどアニキは赤い顔のまま何も答えてくれなかった。
なるほど、そこまでやれるほどの度胸は無かったってわけね。うーん、純だなぁ〜。
アニキったら見た目に反して可愛いんだから、もう。
「アニキの恋、叶うように応援してるよ〜」
「こっ……お、俺はそんなもんしてねぇよ!!」
「照れない照れない。“命短し、人よ恋せよ”よ」
何処で聞いたか分からないけど、何となくそれもいいなって思って覚えていた文句を言ってみる。
「何だ、慶次と同じこと言いやがって」
「……へ? これ、慶次の台詞だったの?」
「? ああ、そうだが」
……うわ、最悪。慶次と同等かよ……自分で言って凹んできた。
あ、いや……別に慶次が嫌いってわけじゃないよ?
特別好きって訳でもないけど……
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