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夜盗
第一章
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前と後ろに出てだった。こう彼に言った。
「おい、止まれ」
「金目のものを出せ」
「そしてあんた自身もな」
「覚悟しなよ」
「ふむ、貴方達が村の方々がお話していた」
 旅人は自分を囲んだその彼等に言った。
「夜盗達ですね」
「ああ、そうさ」
「あの村の連中から話を聞いてるのなら話が早い」
「さあ、金出せ」
「ついでにあんたも奴隷として売り飛ばしてやるからな」
「覚悟しな」
「男みたいだが容赦しねえぜ」
 奴隷商人として売るというのだ、そしてだった。
 それぞれ刀や斧を構え旅人を捕まえようとする、だが。
 旅人は悠然と笑ってだ、その彼等に言った。
「貴方達の頭目はどなたでしょうか」
「?俺だよ」
 彼の正面にいる顔中髭だらけの大柄で如何にも人相の悪い男が答えた。身なりは汚らしくしかも荒々しい。
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