暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
104話:機動六課防衛戦線(中編1)
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ぉぉぉぉぉぉ!!」


 遂に引かれる引き金。砲台の形をとっていたカードも、ディエンドライバーから放たれたエネルギーに纏わりつき、一つの砲撃として隊舎へと向かう。
 叫ぶ士だったが、砲撃は容赦なく隊舎へと向かい、そして―――


 爆音と共に、炎と煙が隊舎を包んだ。
























「あ…あぁ……」


 力なく膝をつくシャマル。当然だ、先程まで必死に守ろうとしていたものが壊れたのだから。
 ガタキリバに変身する士も、ただ茫然と煙に包まれる隊舎を眺めている。


「どうだ、これが現実だ」
「………」
「君は弱い。守りたいものも、救いたいものも……全て、壊れる」
「……あぁ、そうだな…俺は、弱い…」


 ディエンドの言葉に、士は小さく呟く。煙が立ち上るその場所を見つめ、ただ立ち尽くす。それを見て、エクストラは仮面の奥で笑みを浮かべる。

 勝った、奴の心は…折れた。守るつもりだったものが壊れ、奴の戦う意思は…消えた。
 彼はそう確信した。さぁ仕上げだ、後はコイツを討ち勝利を収めるだけ―――


「だけど、まだ―――壊れていない」
「……何…?」


 だが、士の心は折れていなかった。煙から目を逸らした士は、鋭い眼光をディエンドに向けた。
 何故? 守るものはなくなったのに? 奴が戦う理由はなくなったのに? 何故そんな目ができる。

 そこでディエンドは気づいた。煙の奥に、何かが見えてきたことに。涙を流すシャマルも、そのことに気づいたようだ。
 それは六課隊舎の影ではない。その前にある、まるで壁のような……


「―――な、んだ…あれは…」


 煙が晴れ、その全てが見えた。ディエンドはそれを見て、そう吐露した。
 そこにあったのは、“甲羅”。オレンジ色に光るそれは、先程ディエンドが放った砲撃―――“ディメンションシュート”が命中したと思っていた場所にあった。

 そしてその奥で立つ者が―――


「まったく…これだけは使いたくなかったんだがな〜…」


 前に両腕を出し、装備しているその“盾”を合わせることでそれを作り上げていた。
 彼はその構えを解く、それと同時に“甲羅”は消えてなくなり、その奥には何処も崩れていない隊舎の姿があった。


「だがまぁ、そんなことも言ってられない状況だかんな…」
「なにを…言っている…! お前は…ッ!」
「おいおい…これ以上の手札(カード)がないとでも?」


 そう言って士は、ライドブッカーからカードを取り出し、その端を叩いてその存在を主張させる。
 そして今カードを取り出したガタキリバの横に、更に五人のガタキリバが並び立つ
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