第6話「さいかい」
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=遼side=
「―――後は、多分工藤君の言うとおりですね。」
「なるほど...。」
佐倉先生から今までの経緯を知る。
偶々屋上にいたことで助かり、そこから生活圏を広げ、その最中にあの夕立で集まったゾンビにバリケードを壊されて襲われたって事か...。
「咄嗟に他の三人を庇うなんて、思い切ったことをしますね...。」
「...私はその時、あのマニュアルを見て責任を感じていたの。だから、あの子達が生きるためには私はどうなってもいいって...だから、かしらね...。」
自己犠牲か...。こんな状況じゃ仕方ないこと...なのかな。
「それにしても学校で籠城するのを敢えて部活にする...ですか。」
「ええ。その方が、精神的にも楽だと思って...。」
「同感ですね。こんな状況になっては、例え軍人や傭兵でもきついと思いますから。」
こういう精神的にきつい状況の時は、何か戦場に関係ないことで趣味などを行う事で気を紛らわすのがいいと親父に言われた事があるな。まさにそれか。
「...とすると、早々に戻るべきですね。」
「えっ?」
「あの時は三階に行ってなかったから分かりませんでしたけど、夕立でゾンビが集まってたという事は今の状況としては助かったか既に死んでいるかの二択ですからね。それに、佐倉先生はもう死んだものだと思って、三人とも精神に多大な負荷がかかっているでしょうから。」
話を聞いた限り、他の三人は唯一の大人である佐倉先生を結構頼っていたらしいからな。もし、その人物が死んでしまったのなら、相当精神に来ているはずだ。
「...そうね...。」
「では、早速行きましょうか。」
「.....えっ、今から...?」
既に時間では日が暮れている。確かに遅いかもしれないな。
「善は急げと言いますし。あ、一応、武器として持っておいてください。」
サプレッサーを付けた拳銃を先生に渡しておく。
「ええっ!?わ、私こんなの使えませんよ!?」
「使い方はドラマとかにあるのと全く同じです。それに、一応の武器ですから、大抵の相手は俺が引き受けます。」
刀を腰に差し、そう言う。
「いつ手遅れになるか分かりません。今すぐ行きましょう。」
「手遅れ...そうね。行きましょう。」
整理しておいたバッグを背負い、一階へと向かう。
「...これは....。」
佐倉先生が道中の頭の潰れたゾンビを見て疑問の声を上げる。
「大抵は俺が倒したものです。頭を潰せば大抵は倒せるのがセオリーなんで。」
「この数を...たった一人で...?」
「まぁ...そうですね。」
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