第十三話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
本から出てきたと言うのにこのざまかよ………悔しいなぁ。クソッタレ……!
吸血鬼……いや、狂った悪魔はさっきの吸血鬼より遥かに強い。理性が有ればまた変わっただろうが、己を顧みずに力を振るうこいつは“手加減”と“遠慮”を無くしている。自信にする、自信を傷つけないが為のリミッターを無視して俺を殺しにかかってくる。
それは種族、戦闘経験に関わらずあらゆる者を凌駕する強さを誇るだろう。
要するに、俺は勝てない。ここで死ぬだろう。
「アハハハハはハハハハは!!」
「あぐぅ………!?」
彼女の起こした業火が俺を襲う。一瞬で俺の腕は炭化して黒く染まる。感覚は無くなり、既に使い物に成らないだろう。
再生した側から炭に逆戻り。今、それ程の熱量がこの一帯を覆っているのだ。
目の前には炎を纏った棒を持った吸血鬼の少女。その棒を振り上げる─────
「サヨうナらラ」
ふり降ろされる棒がやけにゆっくりと動いている。そして、俺の中に蘇る今までの記憶。
──ああ
────────なんてつまらない生きざまだろう。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ