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フランの狂気になりました
第十三話
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本から出てきたと言うのにこのざまかよ………悔しいなぁ。クソッタレ……!

吸血鬼……いや、狂った悪魔はさっきの吸血鬼より遥かに強い。理性が有ればまた変わっただろうが、己を顧みずに力を振るうこいつは“手加減”と“遠慮”を無くしている。自信にする、自信を傷つけないが為のリミッターを無視して俺を殺しにかかってくる。
それは種族、戦闘経験に関わらずあらゆる者を凌駕する強さを誇るだろう。
要するに、俺は勝てない。ここで死ぬだろう。

「アハハハハはハハハハは!!」

「あぐぅ………!?」

彼女の起こした業火が俺を襲う。一瞬で俺の腕は炭化して黒く染まる。感覚は無くなり、既に使い物に成らないだろう。
再生した側から炭に逆戻り。今、それ程の熱量がこの一帯を覆っているのだ。

目の前には炎を纏った棒を持った吸血鬼の少女。その棒を振り上げる─────

「サヨうナらラ」

ふり降ろされる棒がやけにゆっくりと動いている。そして、俺の中に蘇る今までの記憶。

──ああ










────────なんてつまらない生きざまだろう。

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