第十二話
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の弱った私を倒せてもあの男の前じゃそれこそ、今の私よりも戦う事は出来ないだろう。
だが、それでも少しの代案さえ私の頭は導き出さない。
私達の誰も欠けずにレミリアお嬢様を助け出してあの男から逃げ出す。
それがダメでもそれに近い代案を…………。
「………てい!」
「ひんにゅうっ!?」
考えていたらフランお嬢様にデコピンされた……。凄く痛いです。
見上げればフランお嬢様は、私を見下ろしていた。
「めーりん、私は大丈夫。今現在は私の方が強いんだから、ね?めーりんにとっておねぇ様は守らないといけない相手なんでしょ?だーいじょうぶ!チャチャッとおねぇ様助け出してもどって来るから!」
フランお嬢様は本心を隠すように、やや震えた声音で、明るく言った。
己を遥かに超える存在。私もたとえ十全の状態だったとしても勝てないであろう存在。
負傷した私に勝てると言っても、経験が足りてないのだ。戦術、心構え、他にも戦いに必要なものが何一つとして足りていない。
フランお嬢様には逃げ帰る事すら………いや、こんな考えじゃ駄目だ。
現に私は動けない、結局私もフランお嬢様も行かずにどうにかなる訳無かったのだから。
だったら信じよう。フランお嬢様にはレミリアお嬢様を連れて帰ってきて頂こう。
私の考えが伝わったのか?フランお嬢様は「おねぇ様は絶対に連れ戻す」、そう言って飛んで行った。
どんどん離れていくフランお嬢様。その行き先である男の方を向き────気が付いた。
何故?何故、気づかなかった?あれは駄目だ、戦術とか心構えでどうにかなる問題ではない。
─────あれは“神”だ。
多分“日の本”……“ジパング”の神だと思う。
“八百万の神々”ジパングには大なり小なり力の差はあれどとても多くの神の集う場所。
何故ジパングの神がここへ来たのだろうか?いや、それも問題だが、彼処へ行ったフランお嬢様、そしてあの神の目の前に居るレミリアお嬢様。
「フランお嬢様………必ず、必ず戻って下さい……」
──────────────────────
めーりんを抑えて何とか彼処へ飛び出した私。
おねぇ様と男の居る場所へと今出せる全力で飛行する。
眼下に広がるおねぇ様が作ったクレーター、その中で燻る妖怪たちの死体。地獄絵図をはるかに超えて、その空間が、世界が、死んでいた。
おねぇ様と男が見えてきた。私は“レーヴァテイン”を手に握り、間合いに入ると同時にその獄炎の魔剣を振り下ろす!
「はあああああああ!!」
「うおおっっっ!!?」
男は間一髪………いや、かなり余裕そうに身を翻してよける。
私が“レーヴァテイン”振り下ろした直線上は真っ黒に焦げ付き、長い長い
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