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フランの狂気になりました
第七話
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淡々と説明した。
何故か物凄く機嫌の悪そうな声音で喋るものだから、ビクビクしてしまう自分が居る。

「フ………フラン?何かあったの?」

「何かって………何が?」

睨むように私を見据えるフランはかなり怖い。

「………………おねぇ様」

突然フランが話しかけてきた。
どことなく真剣なその声音は不思議と背筋を正させる様な気がした。
「私が……………お父さまとお母さまを殺したの?」

「……………フラン。私も聞きたい事が有るの───」

「───────貴女の中に、別の………っつ!?」

レミリアが言いかけた瞬間、レミリアの首筋に何かが近づけられた。
それは歪な形をした杖の様なもの、それは火花を出していて、今にも燃え上がりそうな雰囲気を出していた。

「何?それを知ってどうするの?大方私の偽者にでも『助けてー』何て言われたんでしょ?」

フランは間髪入れずに言った。

「でも………お父様とお母さまを殺したのは………」

「そんなの知ってる。私ね、ついさっきまでその事覚えてなかったの、だけどおねぇ様の偽物に全部聞いたよ…………私の中に居るのは、私の命の恩人なの!おねぇ様が何を聞いたのか知らないけど、手を出そうとしないで!!」

「何………なのよ……それ……」

レミリアは手を力一杯握り、歯を食いしばる。

「貴女こそ!貴女にとってお父様もお母さまも貴方に危害を加えた“だけ”じゃ無い!!殺す必要は無かった!“殺されても”無かったのに!!………っあ……」

レミリアはそこまで言って気が付いた、この言い方では…………

「………つまり……私が黙って死んでれば良かったって言いたいのね………。私も、最初はそのつもりだったわ………だけど!!あいつは!『月華』は私を助けてくれたの!!おねぇ様が私が死ねば良かったって思うなら私はずっと生き続ける!月華がくれたこの生を存分に楽しんで、あんたの死に顔を見てから死んでやる!!」

フランはそう言い切ると、元の道を戻って行った。
取り残された私は呆然とその背中を見続けるだけだった。

フランの背中が消えた後、天井を見上げた。
壊れた魔法陣が目に映る。

何て事をまた言ってしまったんだろう………?
天井を見上げたまま、私は暫く放心していた………。

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