暁 〜小説投稿サイト〜
竜のもうひとつの瞳
第八章〜アニキと私と野郎共の恋の詩〜
第三十八話
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 「へぇ〜……友達いたんだ、あの人」

 「友達ぃ〜? ……あ、言われてみりゃそうか。やってるこたぁ、ダチとつるんでんのとそう変わらねぇもんなぁ」

 何だ、独りぼっちじゃないんじゃん。毛利って。
ま、あのオクラのことだから、友達だなんて思わないでアニキも捨て駒とか利用価値の一人とか思ってんだろうけども。

 アニキを友達と思えれば、毛利はザビー教に取り入れられることは無かったような気もするけれど、どうなのかしらねぇ?
我に友などいらぬ! ……とか言いそう、あの人は。

 「今頃、あのオクラ……じゃなかった、毛利は何やってんのかなぁ〜」

 あの調子じゃ、洗脳が解けなくて未だに愛とか語っちゃってるような気がしなくも無いけど。
我はサンデー毛利! とか言っちゃってたら少し笑えるかも。

 「さぁな、案外正気に戻って残ったザビー教信者を根絶やしにしようとか考えてんじゃねぇのか?」

 「……有り得る」

 それもかなり怒り狂ってと見た。
まぁ……もう、どうせ西国から離れるからいいけどもさぁ……。
当分は、ザビー教にも毛利にも関わりたくないなぁと思う。ついでに毛利にも……。
だって、爽やかな笑みで愛を語りだして私の世話を甲斐甲斐しくする毛利なんて、トラウマ以外の何者でもないもん……。
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