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幸運E−のIS学園生活
人生、諦めも肝心
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地面に根を下ろした植物のように、現世に現れた亡霊は泥で出来た身体を少しずつ実体化させながらその姿を露わにした。黒き和装を纏いながら血が滴るその腕の先には鋭く尖った爪、口からは隠しきれていない欲を表現しているかのような牙が覗かせている。そして頭の上には何かの耳のような物が生え、何本もの尾を揺らしながら、魔力の塊である心(極上の栄養源)に狙いをつけた。その姿を視認しながら心は考えていた、これはどの英霊なのかと。

「………魔術師(キャスター)である事には間違いは無い、だが一体何処の英雄だ?」
「………フフッ」
「笑ってやがっ!?」

刹那、本能的に防御姿勢をとった心を爆弾がさく裂したかのような常識では考えられない暴風が襲った。それは防御の壁を一撃で破壊しながら心の動きを止めた。(キャスター)は出現させた円状の武器を高速で回転させなが、心の懐に抉りこませるように叩き込んだ。

「ぐっ!!このぉおお!!」

痛みが走り痺れる身体に鞭を打ちながら槍を振るうが捉えたのは空のみ。既に射程圏外(槍が届かない距離)へと移動している敵を恨めしげに睨みながら強く歯軋りをする。だが心は落ち着いていた、ISを一時的な肉体としているクラスカードは、現界し続けるためにSEを消費し続けるということを心は掴んでいた。そこから、心は今とるべき戦術は持久戦であることを導き出した。

「行くぜっ、削ってやるぜ。お前の命!!」
「フフフッ」

―――可笑しい…可笑しい。疑惑の念で心の頭を埋め尽くされていた。。既に戦闘開始から1時間は経過している。それなのに、何故敵は普通に立っていられる?ライダーはここまで戦闘を長く続けられなかった。それは現界するためだけでなく攻撃にもSEを使ってしまっていたからだ。やつはキャスター、確かに貯蔵魔力はほかのクラスカードに比べ多く、魔力を用いない物理攻撃も用いているとはいっても、圧倒的に魔力を要する攻撃のほうが多いことを考えると、いくらなんでも貯蔵魔力の量が多すぎる!!

「てめぇ、本当に何処の英雄だ!?こんなにすげぇ魔術師は俺も知らねぇぞ!?」
「フフフッ」
「余裕こきやがって……」

優雅たれ、それ言葉が正に当てはまる貴婦人のように優雅にそして余裕の笑みを浮かべるキャスター。自分はまだまだ余裕がある、如何した私を倒すのではなかったのか?とでも言いたげな顔をしている。何か秘密があるのかと思考をめぐらせる、どれだけ名が高き魔術師でもここまで魔力を使った普通は倒れこむ。

「これで如何だっ!刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)!!」

遂に切り札を切った槍兵。あふれ出した赤い光は爛々と輝きながら、変則的で、鏡で反射させた光のように曲がりながらキャスターの心臓を穿った。確かな手応えに勝ったと微笑む心、だが

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